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2014年09月29日

第84回 カンバドス

はろはろ!こんにちは〜!“よっぴ”の「パラドール紀行」です。
ガリシア地方、最後に紹介するのはカンバドスのパラドールです。
リアス式海岸の地方には珍しく大きな入り江を持ち、沢山の漁船の集まる港があります。
沖に浮かぶ小さな島「ラ・トハ」は高級リゾート地帯で豪華なホテルやスポーツ施設、それにカジノもあります。

第84回カンバドス「CAMBADOS」:
名称デル・アルバリーニョのパラドール「Parador”Del Albarino”」

この地方で作られているRias Baixas(リアス・バイシャス)はスペイン最高の白ワインとして高く評価されていますが、主な品種であるアルバリーニョはドイツのモーゼル川流域が原産地で12世紀にベネディクト派の修道僧がこの地に持ち込んだと言われていますが、このカンバドス特産品としてパラドールの愛称にもなっています。
このフルーティで軽い飲み口の若々しい白ワインは何よりもガリシアで捕れるタコに良く合うのです。

建物は17世紀、海軍提督のバザン侯爵の別邸、旧バザン邸を改装したもので国が買い取りパラドールにしたものです。

全63部屋のこのパラドールは海岸から道を隔てたところに位置しています。
残念な事に目の前の海岸では海水浴は出来ませんが、ここから5キロの所に砂浜が有ります。

部屋は広く、明るく、如何にも貴族の別荘という優雅な雰囲気が漂うパラドールです。
バルやレストラン、パティオやプールなども広々とゆったりとしていて、とても居心地が良いので、宿泊者はたいてい、最低でも2泊するといいます。
外国人の割合は冬場には40%、夏場でも20%もあって、特にイギリス人、ドイツ人が多いのですが、繁忙期は、やはり夏で、7月から10月は特に混み合います。
冬は、天候があまりよくない為比較的空いているのだそうです。

トハ島を挟んで反対側の村、「オグローベ」の村ではムール貝が養殖されていて、もちろん、このパラドールでも美味しいムール貝を食べることができます。
レストランの中心には小舟がセットされていて朝食のバイキングの生ハムやチーズ、果物などがセットされるのです。

カンバドスから数km南に病気で捨てられたロバが温泉のお陰で治癒したと言われる、A Toxa / La Tojaア・トクサ/ラ・トハの町があります。
その効能あらたかな温泉も枯れてしまったそうですが、現在でも保養地として人気があり、豪華な別荘がたくさんあります。 また、サンティアゴのシンボルであるホタテ貝で覆われた小さな教会もあります。


*雑文館(個人旅行のノウハウ編)*

個人旅行18 基本コース3

今回はスペイン旅行のリピーターに是非お勧めしたい北スペインの美しい景色と村、サンティアゴ巡礼路の歴史的な町と建物を巡るコースです。
ただこのコースは交通の便が必ずしもいいとは言えないので、出来るだけ(巡礼者のように)バックパックのような荷物が望ましいと思います。

「8泊10日北スペインとサンティアゴ巡礼路」
サンティアゴ巡礼路は9世紀の始め頃ガリシアでキリスト使途の一人サンティアゴの墓が見つかったという話がヨーロッパ中に広まり、その墓参りが始まりました。
始めの頃は決まった道もなく荒れた大地を踏みならされた跡を探しながらの旅でしたが、11世紀にはナバーラのサンチョ王と孫であるレオンのアルフォンソ6世による道や橋の整備で聖地への巡礼が広まっていったのです。
この巡礼路は1本ではなくフランスで4本の道にまとまり、3本はオスタバットでまとまりロンセスバリョスを通りスペインに、もう一つはサンポルトとハカの港からピレネー山脈を通ってナバーラ地方のプエンテ・デ・レイナで一つになります。これが「フランス・巡礼者の道」で世界遺産に登録されています。
もちろん、他にも各地からの巡礼路があり、この「フランス・巡礼者の道」も支道はたくさんあります。
この巡礼路の町々には歴史的な建造物も多く、北スペイン特有の美しい村もたくさんあります。またパラドールファンには憧れのレオン、サンティアゴのパラドールもあります。このコースもアンダルシアを巡るコースに決して劣ることのない素晴らしいスペインがたくさん発見出来るでしょう。
第1日目日本―バルセロナ
第2日目バルセロナ ―サラゴサ
第3日目サラゴサ ―サンセバスチャン ―オンダリビア(パラドール) 
第4日目イルン ―ビルバオ ―サンタンデール ―サンティジャーナ(パラドール)
この間はバスで移動
第5日目サンティジャーナ ―ブルゴス ―レオン(パラドール)
サンティジャーナ ―ブルゴスはバスで移動、ブルゴス ―レオンは列車
第6日目レオン ―アストルガ ―サンティアゴ・デ・コンポステーラ(パラドール)
第7日目サンティアゴ ―アビラ(パラドール)列車
第8日目アビラ ―マドリッド(バス)
第9日目マドリッド ―第10日目日本

このコースではバルセロナ発としましたが、スペイン第4の都市「サラゴサ」はマドリッドとバルセロナの中間点ですのでどちらを出発点にしても良いと思います。
マドリッド発の場合は途中「シグエンサ」のパラドールを組み込まれることもお勧めです。
尚、時間を節約したいかたはヨーロッパの乗り継ぎ地(フランクフルトなど)から「ビルバオ」に入る方法もあります。またエールフランス、パリ乗り換えでオンダリビアの近く、Biarritzの空港から国境越えをしても良いでしょう。ただ、エアラインや便数は限られます。
ビルバオはグッゲンハイム美術館があり、サンティジャーナは北スペインで一番美しい村に選ばれたこともあり世界遺産の「アルタミラの洞窟」があるところです。
ブルゴスは世界遺産の大聖堂が見所です。
レオンは旧サン・マルコス修道院のパラドールと大聖堂、現在商業銀行の建物になっているガウディ作のカサ・デ・ロス・ボディネスなど見所の多い町です。
アストルガは大聖堂の隣にやはりガウディ作の司教館があります。
サンティアゴは巡礼路とは別の世界遺産登録がされていますが大聖堂と同じオブラドイロ広場に建つ王立病院の建物がパラドールとして利用されています。
アビラも11世紀末に作られた城壁の町、15世紀の白い宮殿がパラドールとして利用されています。
このコースも非常にトッピングの豊富なコースで、ブルゴスの東約100kmの巡礼路の町サント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサダ(素晴らしいパラドールがあります)、サンティジャーナからオビドスに向かえば、やはり世界遺産の「アストゥリアス王国の教会群」がありますし、アストルガからサンティアゴへの巡礼路には沢山の美しい町が点在しており、アビラと同様、城壁の町Lugoルゴも世界遺産に登録されました。
時間が許せばVIGOヴィゴのリアス式海岸の美しい景色と海の幸を堪能するのも良いでしょう。

by“よっぴ”

第83回 ポンテベドラ

はろはろ!こんにちは〜!"よっぴ"の「パラドール紀行」です。前回のバイオナから北に55km、引き続きガリシア地方、ポンテベドラのパラドールです。

第83回ポンテベドラPONTEVEDRA:
名称「Parador”Casa del Barón」男爵館のパラドール

サンティアゴ・デ・コンポステーラとビーゴの中間にある静かな港町がポンテベドラです。旧市街は17,8世紀の佇まいを残す美しい町です。建物は16世紀ルネッサンスの宮殿でガリシア地方特有の様式で作られた「パソ」と呼ばれる貴族の館です。

この高貴、壮麗、豪華な建物の外観に劣らず館内には重厚な家具、荘厳な石段、豪華な装飾品で飾られて中世の雰囲気を残しているのです。

建物の持ち主が代々伯爵,侯爵、男爵と爵位をもつ貴族で最後の所有者がハゴダ男爵であったことからこの名称がついています。
このパラドールは建物を政府が買い上げ、内装を施し、増築をして現在のパラドールになっていますが、豪華なサロンの一部には、ガリシア地方の典型的な台所の姿を残して、鍋、釜など昔の生活用品をミニ博物館の様に飾ってあります。☆昔の台所
パラドールの周辺は17,18世紀の建物が数多く残る旧市街ですが、このパラドールは観光客のみならず、ビジネスや会社の研修に使われることも多いそうです。
それでも、宿泊客の30%は外国人で、建物の素晴らしさを賞賛するお客さんが特に多いそうです。
もちろん、洒落たレストランで地元の豊富な魚介類の料理を賞味しにくるというお客さんもたくさんいます。


*雑文館(個人旅行のノウハウ編)*

個人旅行18 基本コース2

スペイン旅行での観光のハイライトと言えばやはり「アンダルシア地方」でしょうか?
スペインの旅行相談の8割は「アンダルシア地方」をメインとした観光を計画しています。
やはりスペインのイメージとすると灼熱の太陽と青い海に白い町。それにピッタリなのが「アンダルシア地方」だからでしょう。
ですから、もうすでにツァーでアンダルシアには行ってしまったという方も多いでしょう。
でも個人旅行では好きな場所でゆっくりしたり、ツァーではなかなか時間等の関係で行けない場所や泊まりたいパラドールもあるでしょう。
そこで、今回はアンダルシアを周遊する基本コースを考えてみましょう。

「地中海・アンダルシア10日間の旅」
今回の出発点は一応マドリッドです。
セビージャやマラガから入国する方法も考えられますが、圧倒的に本数が少なく一般的ではないのと、前回もお話をしたようにマドリッドの市街地に入ってきたときの感動を味わって欲しいからです。
第1日目 ―マドリッド(泊)
第2日目〜マドリッド観光
………  (マドリッドでの観光日数を1日とした場合)
第3日目マドリッド(アトーチャ駅)―AVE―セビージャ(泊)カテドラル、市内
第4日目セビージャ―(バス)―ロンダ(泊)断崖の町、闘牛場
第5日目ロンダ ―(バス)―マラガ ―ネルハ(泊)ネルハの洞窟、フリヒリアナ散策
第6日目ネルハ ―(バス)グラナダ アルハンブラ宮殿 カテドラル、市内
第7日目グラナダ ―(バス)―コルドバ(泊)メスキータ、花の小径
第8日目コルドバ ―(AVE)―マドリッド(泊)
第9日目マドリッド ―第10日目 日本

さてトッピングですが、前回同様マドリッド、或いはバルセロナでの観光日数やパラドールの宿泊を増やすこともモチロンできます。
今回は日程がきつくなるので「基本コース」としてはバルセロナを省いてあります。

このコースでのトッピングは何と言ってもパラドールでしょう。
セビージャ(カルモナ)、ロンダ、ネルハ、グラナダ、コルドバと宿泊地すべてにパラドールがあり、しかも全部お勧めの素晴らしいパラドールばかりです。

カルモナはドン・ペドロ王の素晴らしい古城のパラドール、ロンダはタホ渓谷の断崖絶壁に建つ250年前の旧市庁舎のパラドール、ネルハは地中海の青い海辺の上に建つリゾートタイプのお洒落なパラドール、グラナダはアルハンブラ宮殿の敷地に建つ修道院を改装した歴史のあるパラドール、コルドバは旧市街地から少し離れた高台に建つゆったりと建てられた高級リゾートホテルのパラドールと、それぞれ個性のあるパラドールです。
もう少し日程に余裕がある方なら白い町アルコス・デ・フロンテーラとマラガの高台に建つマラガ・ヒブラルファロのパラドールもお勧めです。

マドリッドにレンタカーで帰ろうとする方でしたら、途中でウベダやアルマグロのパラドールに泊まるのもお勧めしましょう。

by“よっぴ”