2014年09月29日

第84回 カンバドス

はろはろ!こんにちは〜!“よっぴ”の「パラドール紀行」です。
ガリシア地方、最後に紹介するのはカンバドスのパラドールです。
リアス式海岸の地方には珍しく大きな入り江を持ち、沢山の漁船の集まる港があります。
沖に浮かぶ小さな島「ラ・トハ」は高級リゾート地帯で豪華なホテルやスポーツ施設、それにカジノもあります。

第84回カンバドス「CAMBADOS」:
名称デル・アルバリーニョのパラドール「Parador”Del Albarino”」

この地方で作られているRias Baixas(リアス・バイシャス)はスペイン最高の白ワインとして高く評価されていますが、主な品種であるアルバリーニョはドイツのモーゼル川流域が原産地で12世紀にベネディクト派の修道僧がこの地に持ち込んだと言われていますが、このカンバドス特産品としてパラドールの愛称にもなっています。
このフルーティで軽い飲み口の若々しい白ワインは何よりもガリシアで捕れるタコに良く合うのです。

建物は17世紀、海軍提督のバザン侯爵の別邸、旧バザン邸を改装したもので国が買い取りパラドールにしたものです。

全63部屋のこのパラドールは海岸から道を隔てたところに位置しています。
残念な事に目の前の海岸では海水浴は出来ませんが、ここから5キロの所に砂浜が有ります。

部屋は広く、明るく、如何にも貴族の別荘という優雅な雰囲気が漂うパラドールです。
バルやレストラン、パティオやプールなども広々とゆったりとしていて、とても居心地が良いので、宿泊者はたいてい、最低でも2泊するといいます。
外国人の割合は冬場には40%、夏場でも20%もあって、特にイギリス人、ドイツ人が多いのですが、繁忙期は、やはり夏で、7月から10月は特に混み合います。
冬は、天候があまりよくない為比較的空いているのだそうです。

トハ島を挟んで反対側の村、「オグローベ」の村ではムール貝が養殖されていて、もちろん、このパラドールでも美味しいムール貝を食べることができます。
レストランの中心には小舟がセットされていて朝食のバイキングの生ハムやチーズ、果物などがセットされるのです。

カンバドスから数km南に病気で捨てられたロバが温泉のお陰で治癒したと言われる、A Toxa / La Tojaア・トクサ/ラ・トハの町があります。
その効能あらたかな温泉も枯れてしまったそうですが、現在でも保養地として人気があり、豪華な別荘がたくさんあります。 また、サンティアゴのシンボルであるホタテ貝で覆われた小さな教会もあります。


*雑文館(個人旅行のノウハウ編)*

個人旅行18 基本コース3

今回はスペイン旅行のリピーターに是非お勧めしたい北スペインの美しい景色と村、サンティアゴ巡礼路の歴史的な町と建物を巡るコースです。
ただこのコースは交通の便が必ずしもいいとは言えないので、出来るだけ(巡礼者のように)バックパックのような荷物が望ましいと思います。

「8泊10日北スペインとサンティアゴ巡礼路」
サンティアゴ巡礼路は9世紀の始め頃ガリシアでキリスト使途の一人サンティアゴの墓が見つかったという話がヨーロッパ中に広まり、その墓参りが始まりました。
始めの頃は決まった道もなく荒れた大地を踏みならされた跡を探しながらの旅でしたが、11世紀にはナバーラのサンチョ王と孫であるレオンのアルフォンソ6世による道や橋の整備で聖地への巡礼が広まっていったのです。
この巡礼路は1本ではなくフランスで4本の道にまとまり、3本はオスタバットでまとまりロンセスバリョスを通りスペインに、もう一つはサンポルトとハカの港からピレネー山脈を通ってナバーラ地方のプエンテ・デ・レイナで一つになります。これが「フランス・巡礼者の道」で世界遺産に登録されています。
もちろん、他にも各地からの巡礼路があり、この「フランス・巡礼者の道」も支道はたくさんあります。
この巡礼路の町々には歴史的な建造物も多く、北スペイン特有の美しい村もたくさんあります。またパラドールファンには憧れのレオン、サンティアゴのパラドールもあります。このコースもアンダルシアを巡るコースに決して劣ることのない素晴らしいスペインがたくさん発見出来るでしょう。
第1日目日本―バルセロナ
第2日目バルセロナ ―サラゴサ
第3日目サラゴサ ―サンセバスチャン ―オンダリビア(パラドール) 
第4日目イルン ―ビルバオ ―サンタンデール ―サンティジャーナ(パラドール)
この間はバスで移動
第5日目サンティジャーナ ―ブルゴス ―レオン(パラドール)
サンティジャーナ ―ブルゴスはバスで移動、ブルゴス ―レオンは列車
第6日目レオン ―アストルガ ―サンティアゴ・デ・コンポステーラ(パラドール)
第7日目サンティアゴ ―アビラ(パラドール)列車
第8日目アビラ ―マドリッド(バス)
第9日目マドリッド ―第10日目日本

このコースではバルセロナ発としましたが、スペイン第4の都市「サラゴサ」はマドリッドとバルセロナの中間点ですのでどちらを出発点にしても良いと思います。
マドリッド発の場合は途中「シグエンサ」のパラドールを組み込まれることもお勧めです。
尚、時間を節約したいかたはヨーロッパの乗り継ぎ地(フランクフルトなど)から「ビルバオ」に入る方法もあります。またエールフランス、パリ乗り換えでオンダリビアの近く、Biarritzの空港から国境越えをしても良いでしょう。ただ、エアラインや便数は限られます。
ビルバオはグッゲンハイム美術館があり、サンティジャーナは北スペインで一番美しい村に選ばれたこともあり世界遺産の「アルタミラの洞窟」があるところです。
ブルゴスは世界遺産の大聖堂が見所です。
レオンは旧サン・マルコス修道院のパラドールと大聖堂、現在商業銀行の建物になっているガウディ作のカサ・デ・ロス・ボディネスなど見所の多い町です。
アストルガは大聖堂の隣にやはりガウディ作の司教館があります。
サンティアゴは巡礼路とは別の世界遺産登録がされていますが大聖堂と同じオブラドイロ広場に建つ王立病院の建物がパラドールとして利用されています。
アビラも11世紀末に作られた城壁の町、15世紀の白い宮殿がパラドールとして利用されています。
このコースも非常にトッピングの豊富なコースで、ブルゴスの東約100kmの巡礼路の町サント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサダ(素晴らしいパラドールがあります)、サンティジャーナからオビドスに向かえば、やはり世界遺産の「アストゥリアス王国の教会群」がありますし、アストルガからサンティアゴへの巡礼路には沢山の美しい町が点在しており、アビラと同様、城壁の町Lugoルゴも世界遺産に登録されました。
時間が許せばVIGOヴィゴのリアス式海岸の美しい景色と海の幸を堪能するのも良いでしょう。

by“よっぴ”

第83回 ポンテベドラ

はろはろ!こんにちは〜!"よっぴ"の「パラドール紀行」です。前回のバイオナから北に55km、引き続きガリシア地方、ポンテベドラのパラドールです。

第83回ポンテベドラPONTEVEDRA:
名称「Parador”Casa del Barón」男爵館のパラドール

サンティアゴ・デ・コンポステーラとビーゴの中間にある静かな港町がポンテベドラです。旧市街は17,8世紀の佇まいを残す美しい町です。建物は16世紀ルネッサンスの宮殿でガリシア地方特有の様式で作られた「パソ」と呼ばれる貴族の館です。

この高貴、壮麗、豪華な建物の外観に劣らず館内には重厚な家具、荘厳な石段、豪華な装飾品で飾られて中世の雰囲気を残しているのです。

建物の持ち主が代々伯爵,侯爵、男爵と爵位をもつ貴族で最後の所有者がハゴダ男爵であったことからこの名称がついています。
このパラドールは建物を政府が買い上げ、内装を施し、増築をして現在のパラドールになっていますが、豪華なサロンの一部には、ガリシア地方の典型的な台所の姿を残して、鍋、釜など昔の生活用品をミニ博物館の様に飾ってあります。☆昔の台所
パラドールの周辺は17,18世紀の建物が数多く残る旧市街ですが、このパラドールは観光客のみならず、ビジネスや会社の研修に使われることも多いそうです。
それでも、宿泊客の30%は外国人で、建物の素晴らしさを賞賛するお客さんが特に多いそうです。
もちろん、洒落たレストランで地元の豊富な魚介類の料理を賞味しにくるというお客さんもたくさんいます。


*雑文館(個人旅行のノウハウ編)*

個人旅行18 基本コース2

スペイン旅行での観光のハイライトと言えばやはり「アンダルシア地方」でしょうか?
スペインの旅行相談の8割は「アンダルシア地方」をメインとした観光を計画しています。
やはりスペインのイメージとすると灼熱の太陽と青い海に白い町。それにピッタリなのが「アンダルシア地方」だからでしょう。
ですから、もうすでにツァーでアンダルシアには行ってしまったという方も多いでしょう。
でも個人旅行では好きな場所でゆっくりしたり、ツァーではなかなか時間等の関係で行けない場所や泊まりたいパラドールもあるでしょう。
そこで、今回はアンダルシアを周遊する基本コースを考えてみましょう。

「地中海・アンダルシア10日間の旅」
今回の出発点は一応マドリッドです。
セビージャやマラガから入国する方法も考えられますが、圧倒的に本数が少なく一般的ではないのと、前回もお話をしたようにマドリッドの市街地に入ってきたときの感動を味わって欲しいからです。
第1日目 ―マドリッド(泊)
第2日目〜マドリッド観光
………  (マドリッドでの観光日数を1日とした場合)
第3日目マドリッド(アトーチャ駅)―AVE―セビージャ(泊)カテドラル、市内
第4日目セビージャ―(バス)―ロンダ(泊)断崖の町、闘牛場
第5日目ロンダ ―(バス)―マラガ ―ネルハ(泊)ネルハの洞窟、フリヒリアナ散策
第6日目ネルハ ―(バス)グラナダ アルハンブラ宮殿 カテドラル、市内
第7日目グラナダ ―(バス)―コルドバ(泊)メスキータ、花の小径
第8日目コルドバ ―(AVE)―マドリッド(泊)
第9日目マドリッド ―第10日目 日本

さてトッピングですが、前回同様マドリッド、或いはバルセロナでの観光日数やパラドールの宿泊を増やすこともモチロンできます。
今回は日程がきつくなるので「基本コース」としてはバルセロナを省いてあります。

このコースでのトッピングは何と言ってもパラドールでしょう。
セビージャ(カルモナ)、ロンダ、ネルハ、グラナダ、コルドバと宿泊地すべてにパラドールがあり、しかも全部お勧めの素晴らしいパラドールばかりです。

カルモナはドン・ペドロ王の素晴らしい古城のパラドール、ロンダはタホ渓谷の断崖絶壁に建つ250年前の旧市庁舎のパラドール、ネルハは地中海の青い海辺の上に建つリゾートタイプのお洒落なパラドール、グラナダはアルハンブラ宮殿の敷地に建つ修道院を改装した歴史のあるパラドール、コルドバは旧市街地から少し離れた高台に建つゆったりと建てられた高級リゾートホテルのパラドールと、それぞれ個性のあるパラドールです。
もう少し日程に余裕がある方なら白い町アルコス・デ・フロンテーラとマラガの高台に建つマラガ・ヒブラルファロのパラドールもお勧めです。

マドリッドにレンタカーで帰ろうとする方でしたら、途中でウベダやアルマグロのパラドールに泊まるのもお勧めしましょう。

by“よっぴ”

2014年07月22日

第82回 バイオナ

はろはろ!こんにちは〜!"よっぴ"の「パラドール紀行」です。今回から3回、ガリシア地方の美しいリアス式海岸に面したパラドールを連続して紹介しましょう。

このガリシア地方は雨も多く、緑が深く、リンゴ園に牧草地と農業、酪農の盛んな地方です。この地方を訪れる旅行者は、きっとそれまでのイメージしているものとは違った別の自然に恵まれた美しいスペインを発見するに違いありません。

今回はバイオナ、1493年アメリカ大陸を発見したコロンブスの船団、3隻のうちの1隻「ピンタ号」はこの海岸に接岸して新大陸発見を知らせたのです。

第82回バイオナ(バヨーナ)BAIONA/BAYONA:
名称「Parador”Conde de Gondomar"」ゴンドマール伯爵のパラドール

ビーゴ湾の入り江の先端、モンテ・レアル岬に建つ城壁の要塞に囲まれた古城のこのパラドールは、三方を海に面し、松林に囲まれたとても景色が良いパラドールです。

周囲3kmにも及ぶ城郭には遊歩道が作られ、広大な敷地には様々な草花や樹木が植えられて散歩する人たちの心を和ませます。

      湾から見るパラドール            岬を巡る城壁

この城はカトリック両王によって16世紀始めに建てられたもので、町の総督が住んでいました。パラドールの建物はこの石の城壁の中にガリシア地方の旧領主の館をモデルにこの地方独特の建築様式で建てられたものです。

このパラドールでは、この静けさと安らぎを守る為に、工夫がされています。

最初にこのパラドールに入るときには、クルマは大きな石の城門を通らなければならないのですが、そこには守衛が居て5EU(歩行者は1人1EU)を支払わなければ通行できないのです。パラドールの宿泊者も同様に通行時に5EUを払うのですが、領収書と引き替えに後で返してくれるのです。こうして観光客がやたらに入れないようにして、静寂を守るようにしているのです。

        エントランス                 城壁・パラドールの入り口

        サロン

       回廊のサロン                   朝食用レストラン

客室は122部屋有りパラドールとしては大きい方ですが、とても人気が高くて7月〜10月は非常に込み合います。部屋は眺めも良く、とても広く清潔で美しい。 パティオに面している45部屋以外は全て海に面しています。

          部屋                      パティオ

特に素晴らしいのがオリジナルの「寄せ木の床」のサロンでしょう。高い背もたれの付いた椅子に座ってひととき貴族の雰囲気を味わっては如何でしょうか?。


       サロン・オリジナルの床

中庭の回廊に隣接しているバルは、海に面しておりすばらしい景観が得られます。
海を眺めながら泳げる大きなプールにテニスコート、少し長く滞在したいパラドールの一つでしょう。
もちろんガリシアの海の幸、生牡蠣、タコ、イワシなどもご賞味下さい。

名称となっているゴンドマール伯爵とは英国大使を10年勤め、この城で余生を送ったといいます。

           バル                 楼閣の見えるプール             

*雑文館(個人旅行のノウハウ編)*

個人旅行17 基本コース1

さて前回までで、およそ個人旅行の特徴、作り方や楽しみ方がお分かり頂けたでしょうか?
これから具体的に「基本コース」基にしてプラン作りをしていきたいと思います。
もちろん一つのモデルコースとして、そのままの日程でも良いのですが、自分なりの好みで味付けをして頂ければもっと充実した個人旅行が出来ると思います。

「マドリッド・バルセロナ6泊8日」
スペインで何処に行ったの?と聞かれて返ってくる答えの十中八,九はマドリッドとバルセロナでしょう。フランスのパリ、イタリアのローマと同じように国の玄関口であり、観光客が多いのは当たり前なのですが、パリはパリ、ローマはローマなのに、このスペインの二大都市はそれ以上の意味を持っているのです。
これはどういう意味かと言うとマドリッドからは実にエクスカーションが豊富な都市であるし、バルセロナは、ガウディ、ピカソ、ミロ、ダリと言ったモデルニスモの発祥の地として魅力溢れる都市で、どちらの都市も様々な変化に富んだ顔を持っているということなのです。

ツァーと比べて、個人旅行における最大の難点といえば荷物の取り扱いでしょう。
ツァーでは荷物を(バスなどに)預けたまま手ぶらで観光地を歩けるのに対して、個人旅行では大きな荷物を担いだバックパッカーは別としてトランクを引きずりながら観光は出来ないのでホテルに早めに入って荷物を下ろしてから観光に出かけるか駅などのコインロッカーに預けるとかしなければなりません。レンタカーで廻ったとしても駐車場を探したり、車の中に置いてきた荷物が気になって落ち着いて観光が出来ないということになります。
この点、この二大都市だけに宿泊するのならば、町の魅力も或いは周辺の見所も多いので荷物を持って移動をすることなくいろいろなスペインを見ることが出来るのです。

例えば、マドリッド周辺にはトレド、アランフェス、セゴビア、アビラ、アルカラ・デ・エナレスといった世界遺産が沢山ありますし、超特急AVEを使えばコルドバ、セビージャといったアンダルシアの世界遺産までも日帰り圏内にあるのです。
市内だけでもプラド美術館や「ゲルニカ」のあるソフィア王妃近代美術館、王宮を始め小さな美術館、博物館まで入れるとどちらも1週間居ても飽きない魅力を持っています。
ですから、このマドリッド、バルセロナ各3泊ずつを最初の基本コースとしてみました。

第1日目日本―(ヨーロッパ乗換え)−マドリッド
第2日目午前 プラド美術館 ソフィア王妃美術館 午後トレド半日観光
第3日目午前 セゴビア半日観光 午後 王宮など市内観光 夜 フラメンコ鑑賞
第4日目午前 マドリッドーバルセロナ(AVE)で好きな時間に移動
       午後 グエル公園 サダラダ・ファミリア聖母教会 ミラ邸などガウディ
       夜 ライトアップされたバトリョ邸、ミラ邸、サグラダファミリアなど。
第5日目   ピカソ美術館 ゴシック地区 カタルーニャ音楽堂 ランブラス通り
第6日目   コロンブスの塔 (フニクリフニクラ=ケーブルカー)モンジェイクの丘      
       ミロ美術館 カタルーニャ美術館 スペイン村など
       (どちらかの午後)モンセラット半日観光
       夜はバルセロネータでシーフードは如何でしょうか? 
第7日目   バルセロナ―(ヨーロッパ乗り換え) 第8日目―日本
空港―マドリッド市内はタクシーで30EU、空港―バルセロナは25EU位。

さて、モチロン、この逆コースも考えられますが、もしも貴方がスペインを初めてなら、是非マドリッドIN、バルセロナOUTのコースをお勧めします。
マドリッド市内に初めて入り、クルマの窓から眺める、どっしりとした風格のある建物が立ち並ぶ風景に、ヨーロッパの他のどの都市よりも胸にこみ上げる感動があるに違いありません。 そう、このマドリッドの街並みはどのヨーロッパの国の都市よりも豪華で素晴らしいのです。(特に夜間にライトアップされた街並みはことのほか素晴らしい)

バルセロナはとてもお洒落なモデルニスモ発祥の街、旧市街のカテドラルなどとガウディ建築との対比が不思議とマッチする街です。
そして世界一美しいといわれる「ランブラス通り」、此処を歩いていると本当に平和を感じる(たまにスリもいるが…)何日居ても飽きない街です。
バルセロナの街はきっとこの旅行をより想い出深いものにしてくれるでしょう。

もし、もう少し日にちが取れるのだが…っという方にトッピングを。
マドリッドからチンチョンに行きパラドールの宿泊を加えましょう。モチロン移動はタクシーで(60EU位?)
もう一日、チンチョンからアランフェス、トレドと周遊して(90EU位?)トレドのパラドールに泊まるという贅沢な旅もお勧めです。
バルセロナでのトッピングは中世の町ヒローナ、ローマ遺跡のタラゴナの町、それとカルドナの古城のパラドールは絶対お勧めです。

by“よっぴ”

2014年07月15日

第81回 ソリア

はろはろ!こんにちは〜!"よっぴ"の「パラドール紀行」です。今日紹介するのはスペインの詩人「カスティーリャの大地」を歌い上げたアントニオ・マチャードの心の故郷、ソリアのパラドールです。

第81回ソリアSoria
名称「Parador”Antonio Machado”」アントニオ・マチャードのパラドール

ドゥエロ川Rio Dueroの岸辺、標高1050mの高地の町ソリアの鉄道駅からクルマで10分、丘の上のアラブの城塞跡、現在は緑の美しい公園になっている景勝地にパラドールは建っています。レンガ作りの建物は正面から見ると2階建てにしか見えませんが、崖に沿って下に建物が延びているので実際は3階建てなのです。

  ドゥエロ川から望むパラドール            パラドール

玄関を入って先ず驚くのは、そこかしこにアントニオ・マチャードの写真、絵画、詩で館内が飾られていることです。このパラドールの名称になっているアントニオ・マチャードとはアンダルシア生まれの詩人で、この地を愛し、高校の教師をしながら数々の叙情詩を発表していました。代表作には「カスティーリャの大地Campos de Castilla」は彼の最高傑作と言われています。

部屋は白い壁と赤茶色の松材の床や窓枠との組み合わせが外の景色と相まって、落ち着いた空間を生み出しています。

レストランは崖沿いに一段下ったところにあって、断崖の真下にはソリアの町並み、ドゥエロ川とカスティーリャの荒野が広がっているのが見えます。

          部屋                      レストラン

ソリアの町中にはロマネスク様式のサント・ドミンゴ教会、16世紀ゴシック様式の建物で回廊の美しいサン・ペドロ教会、アラブ建築の影響がみられる回廊だけが残るサン・ファン・デ・ドゥエロ、旧石器時代から現代に至るソリアの歴史の変遷をたどるヌマンシア美術館など見所がいっぱいあります。

       ソリアの街並み               マヨール広場
      サン・ペドロ教会            サン・ペドロ教会の回廊
    サンファン・デ・ドゥエロ             サンファン・デ・ドゥエロの回廊

また近郊には紀元前133年ローマ軍侵攻の際、自ら町に火を放ち、自決したといわれるケルト人の町ヌマンシアの遺跡があります。

     ヌマンシアの丘                ヌマンシア住居遺跡

*雑文館(個人旅行のノウハウ編)*

「治安」

スペイン旅行で最も多い質問の一つが「スペインは治安が悪いのですか?」というものです。そしていつも回答は同じです「普通に注意すれば大丈夫!」です。
しかし、スペインは本当にそんなに治安が悪いのでしょうか。被害を受けた方には誠に申し訳ないのですが、(日本ではない)外国に於いては、現地の方でもしないような不注意な行動が原因となっている場合が非常に多いのです。
これから述べる注意事項はスペインに限らず多くのヨーロッパ諸国、いや世界中で共通した注意事項で、逆にそんなことを改めて言わなければならない日本だけが特殊なのかもしれません。
もし、これから話す注意事項ですら面倒だ!っと思うのなら旅行を止めるしかないでしょう、今や日本でも同じような窃盗や強盗が増えてきていますから極端に言えば日本に居ても外に出るな!ということになってしまいます。

スペインの大都市、マドリッドやバルセロナでは他の地方都市に比べても盗難が多発していますが、これらの人口の多い大都市で犯罪があるのは当然のことで、パリやローマ、ロンドンでも同じような事件は起きており、特にスペインのこれらの都市に犯罪が多いわけではありません。
最近バルセロナにおける外国人観光客を狙った泥棒やスリの被害にあった外国人はイタリア、英国、フランス、米国、オランダそして日本の順になっているそうです。
被害の8割はスリや泥棒など暴力を伴わない犯罪で、日本人を専門に狙うモロッコ系の置き引きやスリ、パスポートや金銭の窃盗団がいて日本人ツーリストの被害件数が他の国よりも多くなっています。
最近は、在西日本人会の方々とスペイン警察当局による日本人観光客護衛プロジェクトのおかげで一時期に比べれば随分と被害数が減少しているとのことです。

ではこれから具体的に被害に遭いにくい旅行、被害にあっても最小限ですませる方法を考えてみたいと思います。
日本からの観光客の大多数はヨーロッパ各国で乗り継いでマドリッドやバルセロナに降り立ちます。最近はごく一部には羽田を早朝に出発して昼前に到着する便もありますが、ヨーロッパ系の航空会社を利用する場合、多くの便はスペインへの到着する時刻は深夜の場合が多いと思います。ですからスペインに到着したら一早くホテルに入ってゆっくり手足を伸ばして疲れを取ることを考えましょう。

そこで、先ずどんなことがあっても、この最初の1泊目は日本で予約をしておきましょう。
最初の1泊目を予約するということは、空港でウロウロすることで泥棒の標的になることを避けるためで、(両替も出発前か乗り継ぎ空港で済ませ)空港ロビーからは早く離れ、タクシー乗り場からまっすぐホテルに向かうということなのです。(混んでいるからといって、決してそれ以外の場所からは乗らないこと、白タクやボッタのタクシーの場合もあります。)
空港から町に出て、行き当たりばったりで貴重品を身につけた状態のままでぶらぶらと宿探しをするというような事は絶対に避けなければいけません。
さて、スペインでの滞在ホテルですが、少なくてもこの最初のホテルだけはセキュリティのしっかりした、安心感のある3☆ホテル(出来れば4☆)を確保して下さい。

マドリッド、バルセロナでの町散策は「必ず手ぶらで」と言う鉄則を守るためには部屋にセーフティボックスの付いたホテルを選んで貴重品をすべて入れてから外出したいものです。
決して市販の某ガイドブックなどに紹介されている安宿には泊まらないようにしましょう。
それらのホテルは多くが治安上非常に問題のある旧市街の中心地に位置している場合も多いのです。(特にバルセロナの場合)
また、危険だ、高い、からと言って、マドリッドやバルセロナでの滞在期間を少しでも短くしようとして、到着早々夜行バスや列車などで他の町へ移動しようと考える方もいるでしょうが、万一航空機の到着が遅れてバスや列車に間に合わない場合には深夜にすべての荷物を抱えたままホテルを探すという最悪のパターンになってしまいます。
ですから、必ず少なくとも最初の1泊は日本で安心の出来るホテルを予約しておいて下さい。安全を確保するためには多少の出費は必要なものです。

フランクフルト、アムステルダム、パリなどロンドンを除くEU各国の都市での乗り継ぎの場合、スペインの空港でのパスポート・チェックは通常ありませんのでパスポートは確実に安全な場所にしまっておくこと。また荷物を待っている間、あるいは受け取った後も油断せず、常に荷物から目を離さないようにしてください。日本と違って、荷物を置いておけば無くなるというのは世界では常識なのです。
ホテルにチェックインする時も、ホテルのロビー内での置き引きに注意しましょう。
チェクイン後、貴重品はすぐに、ホテル室内のセーフティボックス、なければフロントで金庫に保管してもらってください。決して室内のトランクの中に入れて置かないように。
出来れば4☆のホテルと言ったのはホトンド部屋の中にセーフティボックスが完備されているからで、(部屋にセーフティボックスが無い場合、ホテルのフロントに預かって貰うのには結構手間がかかるのでつい出し入れのあるものは預けずに手元に置いておくという結果になります)何度も出し入れ出来ますのでホテルのフロントに預ける必要がありません。

ではどんな犯罪が多いのでしょうか? 基本的には物取りで、細かい手口は後ほど説明しますがパターンとすれば二つ、窃盗と強奪です。
被害が多いのは色々な手口を使った窃盗(スリや置き引き、車上荒らし、詐欺など)ですが被害の大きさから言えば傷害の可能性のある強奪(強盗、引ったくり)です。
窃盗は比較的人の混雑した道路や観光地で、強奪は人気の少ない裏通りや地下道、或いは深夜、早朝と言った時間帯に狙われることが多いのはお分かりだと思います。
良く、マドリッドやバルセロナなどの大都市を歩く場合、街歩きをする際の基本は、「手ぶら」と言われます。
もちろん、それがベストなんでしょうが、写真も撮りたいでしょうし、地図の付いたガイドブックやハンカチとティッシュ、小さな化粧ポーチ位は持ちたいでしょう。
先日、バルセロナを観光してきた方から観光の心構えとご自分の取った方法の書き込みがありました。

私の格好..布地でできた、軽い安っぽい、小さめのカバンを肩から斜めがけしました。
      これには、テレカ、地下鉄バス回数券、メモ帳、ペン、20ユーロくらいの
      札を入れました。小銭は小さい安っぽい物入れにいれて、ズボンポケットに
      いれました。
      網状の透けている素材のバッグを別に持ち、そこには、ガイド本、水、
      ティッシュ、化粧品、カーデガン、デジカメ、折りたたみ帽子など乱雑に
      突っ込んでいました(笑)。こちらは肩に引っ掛けていることが多かったですね。

これはとても参考になります。よく観光客の格好をするな!とか言いますが、カメラを持って、ガイドブックでも持てば観光客バレバレです。(笑)まあスペインでは観光客も多いので全然不思議でもありませんし観光客に見えていいのです。
ただ、「この客は狙っても金にならないな」と思わせればいいのです。
これでもしスリに狙われてカバンの中を探られても被害は僅かなモノです。
スリは獲物と狙いを定めると必ず後を付けてきます。もし、怪しい雰囲気の人が後を付けているように思われたら、近くの店に入ったりして、そいつがどんな行動を取るか見ていましょう、狙われていると思ったら、店の中でその人が諦めて立ち去るまで待ちましょう。

問題は強奪の方です。怪我を伴いますから…。しかし、これは被害に遭う場所や時間帯がほぼ決まっていますから、その状況を作り出さなければ良いのです。
深夜(早朝も危ないのです)に人気のない通りを歩いて数人の男に囲まれた、地下道で羽交い締めにされた、コロン広場で空港バスから地下鉄に乗り換えるときに後ろから殴られて身ぐるみを剥がされたという話もあります。
要するに君子危うきに近寄らず、このような暴力的な被害の多い場所と時間帯には近寄らないことです。
ただ、オートバイなどで信号待ちの女性のバッグを引ったくるというのは人の多い大通りでもあるようですから信号待ちのときはスリと合わせて注意してください。(車道側にバッグを持たないなど)
要するに、☆スリ対策=貴重品は持たない。☆強盗対策=人の少ない、危険な場所、時間帯を避ける。
この二点に尽きると思います。

タクシーはスペインでは安全にも欠かせない乗り物ですが、乗降時に引ったくりに遭うこともあるようです。降車時に手の中に財布を持ったまま、買い物のバックや荷物をタクシーから出すことに気を取られているからです。降車前に必ず財布をしまいましょう。

万一、被害に遭った場合は警察Policiaに届け出しましょう。
警察には日本語の被害届もあるそうです。
保険の請求もありますし、被害届が無いために、警察がせっかく捕まえた犯人を検挙出来ないことも多いのだそうです。

では最後に最近多い、数人組による知能的窃盗犯の手口を少し紹介します。
まず。相変らず多い手口が「ケチャップ強盗」というものです。
「背中にケチャップが(アイスクリーム)が付いてますよ」とあなたに注意を促し、服をふき取る振りをして、或いは後ろを振り向いたその瞬間を狙って財布やカバンを盗むというもの。見知らぬ人に声をかけられたら周りの人にも注意しましょう。

一人が地図を広げながら「道を教えて!」と言って近寄り、広げられた地図に気を取られている間に地図の下にあったハズのカバンが消えてしまう。

ホテルのエレベーターを待っているとカップルが一緒に乗り込んできて、貴方が部屋の鍵を開けたと同時に侵入してくるケースもあります。周囲に人が居る場合は部屋の鍵を開けるのを待ちましょう。

最近多いのが、偽警察手帳を持った偽麻薬捜査官と偽犯人、犯人役に話しかけられ、そこに警官が現れる。犯人役を取り調べ、次に貴方を取り調べて、持ち物を出させるという手口、この麻薬が偽札になって所持金検査をしたりしますがパターンは大体同じです。
日本人の警察に対する信頼性を利用した手口で、イタリア人には通じないカモ。

by“よっぴ”

2014年07月02日

第80回 カラオラ

はろはろ!こんにちは〜!"よっぴ"の「パラドール紀行」です。今回はマドリッドの北東380km離れた、スペインワインで有名なリオハ地方のカラオラのパラドールです。この周辺はスペインの野菜畑と呼ばれる地帯で、アスパラガス、インゲン豆、アーティチョーク、ピーマンなどの栽培が盛んな地方です。

第80回カラオラCalahorra
名称「Parador”Marco Fabio Quintillano"」マルコ・ファビオ・キンティリアノのパラドール

サラゴサから列車で1時間半、カラオラの駅から歩いて10分足らずの町はずれの高台にこのパラドールはあります。1975年に建てられたパラドールの外観はパステル調のオレンジ色をしたレンガ作りでリオハの風景によくマッチした明るい建物です。広々とした客室は、ベッドカバーやカーテンも建物に合わせたかのように淡いピンク系でまとめられていて、窓を開けるとエブロ川とシダコス川それに緑に覆われた葡萄やアスバラガスの畑が広がって見えます。

        パラドール                   パラドールの庭
        レストラン

宿泊客は観光客のみならず、リオハのワインやアスパラガス、アーティチョークなどの野菜の買い付けに来た商用の客も多いのだそうです。レストランは真っ白な壁と磨かれたタイルの床が清潔な、お洒落でわりとこじんまりしていますが、カラオラの町並み同様明るくて堅苦しさはありません。リオハの新鮮な素材を生かした料理にはもちろんリオハのワインが供されます。また、広いコンベンションホールでは市民の結婚式の披露パーティや商用の会議が開かれます。

このパラドールの名称となっている「マルコ・ファビオ・キンティリアノ」とはローマ治世時代に当地で生を受け、数多くの賛美歌を作詞して、いまでも歌われ続けているのです。

          部屋                    コンベンションホール

歩いて10分ほどの旧市街には12世紀に着工して完成まで400年かかったというカテドラルを始め、教会や修道院などの史跡が数多くあり散歩コースにもことかきません。町並みはとても明るく清潔で落ち着きがあり、旧市街特有の古くささはホトンド感じられません。

         カテドラル                     マヨール広場
       カラオラの街並み
         水飲み場                     エブロ川

このカラオラの町から南東に50km程行くと美しい中世の町トゥデラがあります。12〜13世紀ロマネスク様式からゴシック様式への過渡期に建てられたカテドラルがあり、パティオの回廊にはロマネスク様式のアーケードを支える柱に聖書或いは聖者伝の物語が付いている柱頭が乗っています。

     トゥデラの町                   トゥデラ カテドラルの回廊

*雑文館(個人旅行のノウハウ編)*

個人旅行15「持ち物」

海外旅行用の荷物は多くの方はスーツケースと言われるトランク、あるいは若い方では大きなバックパックに入れて持ち運ぶ場合もあるでしょう。
どちらを使うにしろ、海外旅行に使用するバッグはある程度の大きさもあり、通常はチェックインの時に重量を量って預けなければなりません。
この預ける旅行荷物は航空機のところでもお話をしましたが、ヨーロッパ線では大体の航空会社のエコノミークラスでは一人20kgまでと決められています。
これは預ける荷物と機内持ち込みの荷物を合わせた重量ということになっていますが、実際には機内持ち込みの荷物は余程大きなものでない限りは重さを量ったりしませんので、預ける荷物の重さだと思っていいでしょう。
だからと言って機内にあまり大きな荷物や幾つかの手荷物を持ち込むと重量超過と言われて多大な超過料金を徴収されたり、厳しい荷物検査をされるおそれがありますので注意しましょう。そもそも10日間や2週間程度の旅行でしたら20kgもあれば十分必要な荷造りが出来ると思います。(超過料金は約5800円/1kg)
最近はどの航空会社でも重量超過がうるさくなっているようなので注意しましょう。
一度ヨーロッパからの帰りにお土産を買い過ぎてしまい重量超過と言われたときに「日本人は元々体重が欧米人よりもずっと軽いンだから多少の重量超過くらい認めろ!」ッと言ったら笑って通してもらったことがあります。 

スーツケースとバックパックとどちらがいいかと言えば、自分が持って運ぶ必要がホトンドないパックツァーや、個人でもパラドールを利用したり、ゆったりした旅をする方はスーツケース、精力的にホテルとホテルの移動中も観光して廻るゾ!という方はバックパックが便利でしょう。
また、機内持ち込みの荷物は大きさが3辺の合計115cm以内となっています。これは頭上の荷物棚や座席の下に収まる大きさまでということです。
もし、自分の荷物が少なくて機内持ち込みだけで間に合うというのなら預ける必要はありません。到着してスグに誰よりも早く空港ロビーに出られますし、ロスト・バゲッジの心配もありません。
機内持ち込みのバッグでも10kg位までは入りますし、必要最小限のモノを持って、必要ならば現地で調達(またこれが自分へのお土産になってしまう)してしまうという方法も考えられます。

さて、荷物を預けた場合必ずクレーム・タグという行き先と番号の付いたシールを航空券の裏表紙に貼ってもらいます。これは万一荷物が出てこない場合(ロスト・バゲッジ)に保証となるものです。このロスト・バゲッジはそうそうあるものでもありませんし、あまり考えたくもありませんが、荷物の積み替えが遅れて延着したりする場合もありますので当座必要となる最小限のものは手荷物に入れておきましょう。
ロスト・バゲッジの心配をしても仕方がないのですが、預ける荷物には必ず鍵を掛けて(英語で住所氏名を書いた)ネーム・タグを2枚位つけたりベルトを巻くなど目印を付けたりして荷物に「自己主張」させて忘れられないように目立たせることも必要です。
これは駅の待合室やホテルのロビーなどでチョット荷物を置くという場合にも結構有効だと思います。

ではこれから具体的にどんな荷物が必要か、どのように荷造りすれば良いかを考えてみましょう。
旅先で一番必要なものと言えば「命」以外では、お金、パスポート、航空券があげられます。
モチロンお金の中には、トラベラーズチェック、国際キャッシュカード、クレジットカード、国際テレフォンカード、ホテルやレンタカーのバゥチャーや列車のチケットなど、お金に代わるものも含まれます。これらのモノは万一紛失した場合の連絡先も控えておきましょう。
パスポートもカラーコピーを取っておきましょう。(普段はコピーのみを持って、ホテルのチェックインにはパスポートが必要でホテルでの預かりになります。

レンタカーを借りる人は免許証、国際免許証も必要です。JAFの会員は会員証も、それと地図にコンパス(方位磁石)があると自分の進んでいる方角が確認できて安心です。
メガネが必要な方は壊れた場合の予備も忘れずに。小さな双眼鏡があるとカテドラルのファサードの彫刻を見たり、空港や駅の見にくい掲示板も見えるし、もちろんスペインの風景を楽しむのにもとても重宝します。

カメラ、ビデオ類は趣味の部分ですのであまり話すことはありませんが一眼レフのカメラの場合は望遠レンズはあまり使わないでしょう。(サッカーや闘牛などの場合以外)
それよりも広角〜標準位のズームが1本あると重宝します。

ビデオやパソコンを持ち込んだ場合は充電が必要となりますから対応できる充電器やソケットの用意もお忘れなく。
その他の電気製品とすればヘヤードライヤーや電気湯沸かしがありますが結構重いし、わざわざ持っていく必要はないと思います。
ドライヤーも当然220vの対応のものが必要ですし3☆以上のホテルになら大体備え付けてあるでしょうし無い場合は借りられます。
湯沸かしは全世界対応となっているものなら使用できるしお茶やおにぎり、ラーメンなどのインスタント食品が食べられるので便利ですが、これも3☆以上のホテルなら備え付けてあるか借りられます。
この他必要と思われるものは、地図やガイドブック、会話集、サングラス、化粧品、洗面用具など個人的なものがあります。

さて最後に一番大きな荷物となる衣類です。
衣類は季節によっても、旅行のスタイルでも(高級ホテルやレストランではそれなりの服装もしたいでしょうし…)、年齢や個人差もあるので一概に言えないのですが、基本は「同じ種類のものは持たない」と言っていいでしょう。
つまり上着(ジャケット)なら1枚、ネクタイとシャツも一枚、セーターも一枚、靴も普通の革靴とスニーカーを1足ずつあればいいでしょう。
気候的には寒い地方、暖かい地方とひっくるめて日本とホトンド同じと思えばいいでしょう。夏には夏の服装、冬には冬の服装そのままで下着や靴下などの着替えを持てば良いでしょう。ただ、夏はそのままの格好ですと機内が思ったよりも寒い場合が多いので上着一枚を持ち込むといいと思います。
気候は同じようと言いましたが、昼と朝晩との気温差が大きいので夜間などはこまめに重ね着などで調節して下さい。

by“よっぴ”

2014年06月02日

第79回 トルトサ

はろはろ!こんにちは?!"よっぴ"の「パラドール紀行」です。今日紹介するのは、バレンシアとバロセロナの丁度中間地点、どちらからも列車で2時間、地中海から少し入ったエブロ川河口のデルタ地帯にあるローマ時代からの町トルトサのパラドールです。

第79回トルトサTortosa
名称Parador”Castillo de la Zuda”スーダ城のパラドール

中世の町トルトサのパラドールはエブロ川を見下ろす小高い丘の上にあります。このあたりはエブロ川のデルタ地帯として肥沃な土地に恵まれてオリーブ、オレンジを始めとしてとうもろこし、桃、野菜などの農園が多く、町の周囲には稲作の水田地帯が広がり一瞬日本の田舎かと思ってしまうような風景が広がっています。
ローマ時代からのこの町は、714年にアラブの手に落ち、944年にこのパラドールとなるスダ城が建造されました。パラドールの名称となっている「ラ・スーダ」とはアラブ王アブデラーマン鏡い砲茲辰瞳,蕕譴唇羝佑量樵阿任后尚この井戸は現存しています。荒廃して放置されていた古城は1976年パラドールとして見事に蘇ったのです。

     エブロ川                           パラドール

外観はカタルーニャゴシックの4つの窓が特徴的で周りの外壁はイスラム装飾がなされていますが、内部はキリスト教美術の豪華な装飾で飾られています。客室は広い芝の庭に面していて、調度品もすべて木製でまとめられていて、玄関ホール、レセプションなども木造の柱に漆喰の暖かさが堅固な石造りの城の中だというのを忘れそうです。
クラッシックなバルコニーは、出入りの扉、隣とのパーティーションも含めてすべて木製で石造りの堅さ冷たさを和らげています。

       部屋                         庭からの眺め


      玄関ホール

       レセプション                      プール
        バル                         レストラン

このパラドールの名物は近くで捕れるうなぎの煮込みスープ、パエリャと一緒に召し上がり下さい。

      うなぎの煮込みスープ               イカ墨のパエリャ

近くのローマ遺跡から発掘された遺物が廊下に飾られていてトルトサの歴史を感じさせられます。このトルトサの町では1938年7月スペイン市民戦争で15万人以上の死者が出たと言われています。サンタクララ修道院、建設が14〜16世紀にも及んだというカテドラル、司教館など見所の多い町です。

        ローマ時代の遺物               カテドラル

*雑文館(個人旅行のノウハウ編)*

個人旅行No14 「お金について2」

「現金、カードなど」

旅行の相談を受けるときに良く聞かれるのは「幾ら持っていけば良いでしょうか?」「出来れば支払いはカードでして現金はあまり持っていきたくないンですが…。」という質問です。あまり現金は持っていきたくない、しかし足りなくなるのも不安だ。トラベラーズチェックはどうだろう?
この答えもズバリ!とは答えにくい質問ではありますが、10日間の旅として一人3万円〜5万円(或いは300EU)位では如何でしょう。っと答えることにしています。
理由は現金を使うのはバルや(安い)レストランでの食事、タクシーやバス代、入場料などで一人3千円(1日)もあれば十分でしょう。ッと言うこととあまり少ない金額の両替には手数料が高くついてしまうので3万円位が適当だと思うのです。
上の5万円というのは普段財布の中にそれくらいのお金を入れている方はそれくらい持っていた方が安心だろうと思うからです。

ヨーロッパの主要国が€ユーロに移行したおかげで、たとえスペイン旅行で€を残したとしても、次にイタリア、フランス、ドイツなどの旅行で使えるので、ペセタのときのように無理に空港でチョコレートなどを買わなくても良いのですから多少大目に持っていたい方は大目に両替しても良いでしょう。
この「両替」ですが、以前は、アメリカドル以外は絶対に日本で両替するな、現地に着いてから空港で両替をしろ!っと言われてきました。
これは米ドル以外の通貨は売値と買値の為替の差がとても大きいのと、その上に実際の通貨を輸入するためのヨーロッパからの輸送料なるものを上乗せして両替をしていたので、両替率がとても悪かったのです。
銀行によって多少の違いはありますが1€が140円(中値)だとすると売りと買いはそれぞれ1円ずつの差があり(米ドルも通常1円)その上に輸入手数料が5円程度乗せられて1€紙幣が145円位で売られます。
現地では、これよりも幾らか安いのですが、両替の為の手数料(コミッション)が別にかかり、このコミッションは最低額が決まっていたり、少額だと率が悪くなるので3万円位を1度に替えたほうが良いのです。
(つまり少額なら日本、在る程度の額なら現地ということです)
トラベラーズチェックはヨーロッパではそのままでは使えません。一度銀行で€のキャッシュに替えなければなりませんので敢えて日本の銀行に行ってトラベラーズチェックを作る必要はないでしょう。ただ、トラベラーズチェックにした方が現金(日本円)を両替するよりも多少率が良いので(手数料を差し引いても)多額の現金を両替する方はお得です。
日本の空港の中の銀行でもトラベラーズチェックは買えますので空港に早く着いて時間が余った方はトラベラーズチェックに替えておくのも手です。(手数料は1%)
この場合円のチェックは€のチェックにします。(米ドルのチェックにしない)
最近「国際キャッシュカード」と称して現地の銀行で自分の(日本の)銀行口座から直接現地通貨を引き出せるようになりました。
道路に面したATMから引き出せるので非常に便利ですが、あまりお勧めしません。
引き出すところを通行人に見られるということもありますが、一度米ドルに換算してそれから円に換算して口座から引き落とすので、手数料もかかり結構高くつきそうです。
モチロンいざというときの為に持つのは良いでしょうが。
クレジットカードですが、バルや安いレストランなどでは使えませんが、商店、デパート、それにRENFEの列車でも使えます。
VISAが一枚あれば大丈夫と言いたいのですが、どうもカードによっては機械に反応しなくて使えない場合がありますので、やはり2枚持っていきましょう。
(二人の場合は1枚ずつで良いでしょう)
このクレジットカードにはキャッシングという制度があります。
つまり高利で貸し出すわけですが、この貸し出す場合の現地通貨の換算率が非常に良いのでこの制度を利用して(お金を持たずに)現地の空港でキャッシングをしてしまう方法もあります。3週間程度の短い旅ならばこの方法でお金を借りて、日本に帰ってからスグに返してしまえば利息もあまりかからずに両替よりも有利になるようです。

尚、ホテルの料金は自分で予約をしてカードで支払うよりも旅行代理店を通してバウチャー(クーポン券)を作って行った方が安く付く場合も多く、ホテル側からも良いもてなしを受ける場合が多いようです。(旅行代理店から苦情等があると困るからでしょうか?)

by“よっぴ”

2014年05月26日

第78回 アルカニス

はろはろ!こんにちは〜!“よっぴ”の「パラドール紀行」です。
今回はサラゴサの南東約100kmアラゴンの荒々しい岩山に建つパラドール「アルカニス」を紹介いたしましょう。

第78回アルカニスAlcaniz
名称Parador "Laconcordia"協定のパラドール

このパラドールは12世紀の国土回復戦争(レコンキスタ)のときに当時のアラゴン王アルフォンソ1世によって城塞兼修道院として築城され、スペイン最古のカラトゥラバ騎士団に与えられたものです。アラゴン王朝の後継が途絶えたときに、それまで対立していたカスティージャの王を迎える「カスぺの協約」の予備会談が開かれました。これがスペイン統一の始まりとなるのです。アルカニスとはアラビア語で教会を表す言葉らしい。

客室はかつて、シングル2室にツィンが10室の12しかなかった最も小規模なパラドールでしたが近年増築してツイン28室/ダブル7室/スイート2室の中規模のパラドールになりました。

      パラドール                        部屋

このアルカニスの分厚い、堅個な石造りのパラドールはその規模よりも、とても大きく堂々としています。
正面の大きな石造りのアーチ型の門をくぐり抜けると美しい中庭と正面に宝物館が見えます。この宝物館は通常は閉まっていますが、人数が揃って時間があるときには中を見学できるそうです。

     アーチ型のエントランス                パティオ
     宝物館

アーチのトンネルをくぐると、右側は広々とした中世そのままの石壁に囲まれたバルがあります。反対の左側がレセプションでその裏手の階段から上がったところがサロンで奥にレストランがあります。陶器の町テルエルが近いためか、この階段の壁や上のサロン、そしてレストランでは近郊の釜で焼かれたブルーの絵タイルと陶磁器がふんだんに飾られています。このパラドールも近郊から食事を楽しむ為に来る人が多いので、客室数からは考えられないほどレストランはゆったりと作られているのです。
このアルカニスの村もスペインの美しい村に選ばれており、食後にのんびりと散歩するのに風情のある村です。

          サロン                          階段
          レストラン
          タイル絵                        紋章

*雑文館(個人旅行のノウハウ編)*

個人旅行13「お金について」
「個人旅行の予算」
皆さんは個人旅行というのは団体で行く「パッケージツァー」と比べて安くつくとお思いでしょうか?それとも高くつくとお思いでしょうか?
これは旅の仕方で違ってはきますが、一般に言えば「パッケージツァー」の方が安く付くと言われています。
同じ時期に、同じ航空会社を使い、同じホテルに泊まり、同じ観光地を廻ったとしたときには多分(シーズンで大分違いはありますが)2割〜3割は高くつくはずです。
それに交通の便などを考えますと観光できる場所も2〜3割も少なくなります。
これは、多くは航空会社やホテルが旅行会社に特別に安い料金でチケットや部屋を提供しているからで、これは特に観光客の少ないシーズンでは特にその違いが大きくなります。
現地でも団体の観光バスを使うことで個人よりも交通費が安くつきます。
それでも近年、個人旅行を希望する方が増えて来ているのは個人旅行の自由さが強く求められていたり、リピーターの観光客が増えてきているからでしょう。
自分の行きたい観光地にじっくり滞在したい、ローカルな鉄道に乗りたい、二度目、三度目なのでもう既に行った所に時間を使いたくない…、などの旅にはやはり個人旅行しかありません。
では具体的に旅の予算をどの程度に考えればよいでしょうか?
モチロン航空機をビジネスにしたり、ホテルを5つ☆の最高級にしたりするのと、バックパックを担いでアジア系の航空会社で二日間かかって到着して安いペンションやユースホステルを利用する旅とでは十倍も料金が変わってしまいます。
ここでは普通のパッケージツァーと同じ位の日にちと同程度(4つ☆位)のホテルを二人で使用した場合を考えてみます。
旅費で一番大きく、そしてシーズンによって変わるのが航空券代です。
一番安いのがクリスマス前までとお正月が終わってからの冬場でスペイン往復10万円を切ることも珍しくありません。そして高いのがこの暮れからお正月にかけてとゴールデンウィーク、お盆などで30万円を超えることもあります。要するに長期の休みが取りやすい時期は高くなり、それ以外のいわゆるオフシーズンと言われる時期は安くなるのです。
この航空券代に比べるとホテル代や他の交通費はそれほどシーズンによる差はないのです。
それよりもスペイン各地で行われるお祭り(バレンシアの火祭りやセビージャの花祭りなど)や復活祭の時期にはホテル代もかなり高くなり、その上非常に取りづらくなります。
まあこれらの特別な条件は考慮に入れないとすると1日にかかる費用は、ホテル代、食事代、交通費、入場料ですがマドリッドやバルセロナなどの大都会で約2万円(ホテル代2万5千円の半分+その他)グラナダやコルドバなどの観光地で約1万円(ホテル代1万2千円の半分+その他)これに大きな出費とすればAVEや航空機の料金が加わります。
マドリッド(2泊)アンダルシア(4泊)バルセロナ(2泊)合計8泊10日のコースを考えてみるとマドリッド4万円、アンダルシア4万円、バルセロナ4万円、AVEや航空機に3万円の合計15万円に航空券代となります。
航空機代が12万円とすれば合計27万円、同じ時期の同じような日程のパッケージツァーの20〜25万円よりも1〜2割位高くなります。
やはり航空券代が旅行代金の多くを占める海外旅行では航空券の安い時期を選んで旅行するのが一番の節約で、ホテル代を多少節約して(1泊5千円のペンションにしても)もあまり総額は変わらないことがわかります。
それよりもむしろ、スペイン旅行では思い切って1泊3〜4万円の高級ホテルに泊まっては如何でしょうか?
マドリッドやバルセロナにはヨーロッパ特有の伝統と格式のある超豪華なホテルがたくさんあります。それが日本のごく普通のシティホテルとほとんど変わらない料金で泊まることができるのです。
このような機会は、そう滅多にあるものではありません。パラドールと同様に、これらの高級ホテルに泊まって、パッケージツァーとは、ひと味も二味も違った個人旅行を経験してみてはいかがでしょうか?

by“よっぴ”