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2012年03月15日

第5回 ラ・ゴメラ

はろはろ、みなさんこんにちは〜!!「パラドール紀行」です。
今日は第5回目、人気が高いけどあまり日本人が行ったことがないだろうッて思われる「ラ・ゴメラ」のパラドールをご紹介しましょう。
このパラドールはスペインといってもナント、北回帰線に近い、アフリカ大陸モロッコの沖合にあるカナリア諸島の一つ、ゴメラ島にあるのです。
カナリアの他の島には飛行場があり、マドリッドからも航空便がありますが、此処ゴメラだけは隣のテネリフェ島からフェリーに乗らなければなりませんでしたが、近年空港も開港されましたが小型飛行機がテネリフェ島とグランカナリア島から2便ほど飛んでいるだけで空港からサンセバスチャンまでタクシーで40分もかかり、やはり高速船のほうが便利なようです。
船はテネリフェの「プエルト・デ・ロス・クリスティアーノス」という長ったらしい名前の港から、「サン・セバスティアン・デ・ゴメラ」港に到着します。船はモダンなスタイルの高速船で、所要時間はわずか40分ほどです。
 
ゴメラ島の最高峰ガラホナイは1,487メートルあり、シルバー月桂樹の原生林が茂っていて、
常に上空には雲がかかり、雨を降らせ、霧が多くかかり豊かな緑の森を生み出しています。この雲のために晴れていても霧雨の中を散策している気分になります。
ラ・ゴメラ島は、カナリア諸島の西に広がる小さな円形の島ですが、火山性の島で、カルデラのように小高い山や溶岩の断崖に囲まれるように、中央部に森林(密林)が広がっていて、島特有の貴重な植物の観察や、環境の整備されたトレッキングの名所として、様々なコースが組まれ「ガラホナイ国立公園」に指定されていますが、特異な気象条件が生み出す固有種と数百万年前の月桂樹の密林が、その姿を今に留めているとして、1986年に、ユネスコの世界自然遺産に登録されました。
この「ガラホナイ」の「ガラ」とはゴメラ島の御姫様、「ホナイ」とはテネリフェ島の王子様で「ロミオとジュリエット」の話のような悲しい伝説があります。

NHKの番組で紹介されましたが、島には太古の原生林が残り、海岸線はフィヨルド地形のごとく深く入り組んでいて海岸線を結ぶ道がないために、この島では指笛が発達しましたが、今は伝統を継承するために小学校の授業にも取り入れているそうです。
面白いことに、このゴメラ島は屋久島に良く似ていますね、形も大きさもほぼ同じで世界自然遺産ですし姉妹島になってはどうでしょうか?

第5回「La Gomera」
名称「Parador ”Conde de la Gomera”」ゴメラ伯爵のパラドール

カナリア諸島最大の島テネリフェの港から豪華な高速フェリーで30分、ゴメラ島のサンセバスチャン港に到着します。 最初船に乗り込んだとき、シートがあまりに立派なので(新幹線よりも立派だ)、此処は特別席だろうから一般席は何処だろうと探し回ったが他には見つからない。 バルも船の前後にお洒落で立派なのがあり、中程には免税のおみやげ物屋まであるし、とにかく広く豪華なフェリーです。
時刻表では所要時間30分とあったが実際には45分位かかる、しかし、とにかくゆったりとした豪華な船旅なのでもっと乗っていたい気分になってしまった。 船の到着を待ち受けてタクシーを並べて運転手がたむろしています。 縄張りがあるのでしょうか、客から行き先を聞いては運転手同士で誰が行けとか話しています。 パラドールへはほんの7,8分(重い荷物がなければ急坂を15分位登れば到着します)だからきっと下っ端か新入りが行かされるのでしょうか?
このパラドールは「ゴメラ伯爵」という名称がついている通りこの地を支配していたゴメラ伯爵の館をパラドールに改装したものです。 疲れた足には裸足で歩ける天然木の床の感触がとても心地イイのです。 ゆったりとした広さと庭に面したバルコニー、重厚な扉、天井のウィンドファン アンティークな家具にベッド・・・ ただ一つだけ近代的な感じのするものはバスルームだけです。 大理石と白いタイルと組み合わせた清潔で明るく広い洗面台があり此処だけは都心の一流ホテルを感じさせますが決してイヤな感じはしません。
(ヨーロッパでは高級とされる5☆のホテルでさえお湯の出具合や排水が悪いホテルが珍しくありませんがパラドールでは皆無といっていいでしょう、水周りが広くて清潔で快適なのは全パラドールの共通です)
ホテルにはサロンが随所にありそれぞれインテリアも異なっていて、いずれも昔の貴族の館を思い起こさせるのに充分、アンティークで豪華な作りです。 特に最上階にあるサロンは広い窓から海が直接見下ろすことが出来ます。 廊下も小さなサロンと言っていいほど広くソファや家具などが置いてあり通り過ぎるのが 勿体ないほどです。
勿論熱帯樹に囲まれたパティオもとても南国風でとても素敵です 海に面した崖っぷちには真っ青な水をたたえたプールがあり明るい日差しに輝いています。 このパラドールでは何もしないでゆったりと本でも読むのがいいのかもしれません。
歩いても15分程のゴメラの町サンセバスチャンにはコロンブスの館があります。 此処にはアメリカ発見のときに汲んでいった井戸もあり、現在はインフォメーションの建物の中庭にあります。 ここのインフォメーションには、規模は小さいですがコロンブスに関する資料も展示されています。
この島には他に、これと言った特別な観光施設はありませんが、島の中央に聳えるガラホナイ山を中心に国立公園が広がっていて、この島にしか見られない固有の植物群があり、第三紀の植物の姿を変わらずに残していて、世界自然遺産に登録されています。 自然や植物に興味のある人は、ゆっくりとトレッキングを楽しむのも良いでしょう。 コースは30分から4時間と自分たちの時間体力にあわせて選べます。

この島の主な農産物はトマトとバナナですが、EC統合による農業規制でトマトの輸出が
出来なくなり出稼ぎで3万人居た人口も今は1万7千人にまで減少した典型的な過疎の島になってしまいました。
年間5日程しか降雨がなくて、農業を十分に賄うほどの水資源がないことも影響しています。
しかし中腹より上には1000mm以上の雨が降り、鬱蒼とした森が広がる不思議な島でもあります。
この島で取れる小さな(水分の関係で大きくならないらしい)シワシワのじゃがいも(Papa )はとても美味しいです。


☆カナリア諸島

カナリア諸島はその名前の通りカナリアの原産地であるが、名前を聞いたことがあっても、それが何処にあるのか知っている人はそう多くは居ないでしょう。
それは北西アフリカ、モロッコの沖合大西洋に浮かんでいる7つの島々です。
此処は1483年以来スペイン領になっていますが、黄金郷を求めて中南米に出かけていったスペイン大航海時代には、丁度立ち寄るのに絶好の場所だったのでしょう。
スペインは国力の衰退と共に海外の植民地をことごとく失ってしまったけれど、このカナリア諸島はほとんど残っていない数少ないスペイン領なのです。
常夏のこの島はさしずめスペインのハワイ、いやヨーロッパのハワイとしてヨーロッパ各地から多くの観光客が訪れています。
観光王国のスペインとしてもこの島々には税金を優遇するなどして観光開発に力をいれているのです。
因みにスペインには9つの国立公園がありますが、この小さな島々にはナントそのうちの4つがあるのです。それにパラドールも5か所あります。

カナリア諸島は伊豆七島と一緒で7つの島々からなっています。
この中の一つ、グランカナリアという島があります。グランは大きいという意味だからつまりは大島という名前です。
だけど、このグランカナリアはどういうワケか、カナリア諸島3番目の島なのですね。
だからといってどうと言うことではないのですが、この島は日本人にとっては案外と身近な島なのです。
なぜなら、このグランカナリアのラスパラマス港には日本の漁業基地があって、日本で食されるタコpulpoの4分の1はこの近海で水揚げされたものだそうです。
だから、やはりグランカナリアは偉大(グラン)なのでしょう。

ところで、スペイン語には男性名詞と女性名詞があるのですが、女性名詞はaで終わり
男性名詞はoで終わるものが多く、このカナリアもaで終わる女性名詞で、雄はoで終わるカナリオなのです。
「歌を忘れたカナリアは・・・」という歌がありましたが、カナリアは雌なのだから元々唄わない、歌を忘れて唄えないのではないのです。

by“よっぴ”