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第78回 アルカニス

はろはろ!こんにちは〜!“よっぴ”の「パラドール紀行」です。
今回はサラゴサの南東約100kmアラゴンの荒々しい岩山に建つパラドール「アルカニス」を紹介いたしましょう。

第78回アルカニスAlcaniz
名称Parador "Laconcordia"協定のパラドール

このパラドールは12世紀の国土回復戦争(レコンキスタ)のときに当時のアラゴン王アルフォンソ1世によって城塞兼修道院として築城され、スペイン最古のカラトゥラバ騎士団に与えられたものです。アラゴン王朝の後継が途絶えたときに、それまで対立していたカスティージャの王を迎える「カスぺの協約」の予備会談が開かれました。これがスペイン統一の始まりとなるのです。アルカニスとはアラビア語で教会を表す言葉らしい。

客室はかつて、シングル2室にツィンが10室の12しかなかった最も小規模なパラドールでしたが近年増築してツイン28室/ダブル7室/スイート2室の中規模のパラドールになりました。

      パラドール                        部屋

このアルカニスの分厚い、堅個な石造りのパラドールはその規模よりも、とても大きく堂々としています。
正面の大きな石造りのアーチ型の門をくぐり抜けると美しい中庭と正面に宝物館が見えます。この宝物館は通常は閉まっていますが、人数が揃って時間があるときには中を見学できるそうです。

     アーチ型のエントランス                パティオ
     宝物館

アーチのトンネルをくぐると、右側は広々とした中世そのままの石壁に囲まれたバルがあります。反対の左側がレセプションでその裏手の階段から上がったところがサロンで奥にレストランがあります。陶器の町テルエルが近いためか、この階段の壁や上のサロン、そしてレストランでは近郊の釜で焼かれたブルーの絵タイルと陶磁器がふんだんに飾られています。このパラドールも近郊から食事を楽しむ為に来る人が多いので、客室数からは考えられないほどレストランはゆったりと作られているのです。
このアルカニスの村もスペインの美しい村に選ばれており、食後にのんびりと散歩するのに風情のある村です。

          サロン                          階段
          レストラン
          タイル絵                        紋章

*雑文館(個人旅行のノウハウ編)*

個人旅行13「お金について」
「個人旅行の予算」
皆さんは個人旅行というのは団体で行く「パッケージツァー」と比べて安くつくとお思いでしょうか?それとも高くつくとお思いでしょうか?
これは旅の仕方で違ってはきますが、一般に言えば「パッケージツァー」の方が安く付くと言われています。
同じ時期に、同じ航空会社を使い、同じホテルに泊まり、同じ観光地を廻ったとしたときには多分(シーズンで大分違いはありますが)2割〜3割は高くつくはずです。
それに交通の便などを考えますと観光できる場所も2〜3割も少なくなります。
これは、多くは航空会社やホテルが旅行会社に特別に安い料金でチケットや部屋を提供しているからで、これは特に観光客の少ないシーズンでは特にその違いが大きくなります。
現地でも団体の観光バスを使うことで個人よりも交通費が安くつきます。
それでも近年、個人旅行を希望する方が増えて来ているのは個人旅行の自由さが強く求められていたり、リピーターの観光客が増えてきているからでしょう。
自分の行きたい観光地にじっくり滞在したい、ローカルな鉄道に乗りたい、二度目、三度目なのでもう既に行った所に時間を使いたくない…、などの旅にはやはり個人旅行しかありません。
では具体的に旅の予算をどの程度に考えればよいでしょうか?
モチロン航空機をビジネスにしたり、ホテルを5つ☆の最高級にしたりするのと、バックパックを担いでアジア系の航空会社で二日間かかって到着して安いペンションやユースホステルを利用する旅とでは十倍も料金が変わってしまいます。
ここでは普通のパッケージツァーと同じ位の日にちと同程度(4つ☆位)のホテルを二人で使用した場合を考えてみます。
旅費で一番大きく、そしてシーズンによって変わるのが航空券代です。
一番安いのがクリスマス前までとお正月が終わってからの冬場でスペイン往復10万円を切ることも珍しくありません。そして高いのがこの暮れからお正月にかけてとゴールデンウィーク、お盆などで30万円を超えることもあります。要するに長期の休みが取りやすい時期は高くなり、それ以外のいわゆるオフシーズンと言われる時期は安くなるのです。
この航空券代に比べるとホテル代や他の交通費はそれほどシーズンによる差はないのです。
それよりもスペイン各地で行われるお祭り(バレンシアの火祭りやセビージャの花祭りなど)や復活祭の時期にはホテル代もかなり高くなり、その上非常に取りづらくなります。
まあこれらの特別な条件は考慮に入れないとすると1日にかかる費用は、ホテル代、食事代、交通費、入場料ですがマドリッドやバルセロナなどの大都会で約2万円(ホテル代2万5千円の半分+その他)グラナダやコルドバなどの観光地で約1万円(ホテル代1万2千円の半分+その他)これに大きな出費とすればAVEや航空機の料金が加わります。
マドリッド(2泊)アンダルシア(4泊)バルセロナ(2泊)合計8泊10日のコースを考えてみるとマドリッド4万円、アンダルシア4万円、バルセロナ4万円、AVEや航空機に3万円の合計15万円に航空券代となります。
航空機代が12万円とすれば合計27万円、同じ時期の同じような日程のパッケージツァーの20〜25万円よりも1〜2割位高くなります。
やはり航空券代が旅行代金の多くを占める海外旅行では航空券の安い時期を選んで旅行するのが一番の節約で、ホテル代を多少節約して(1泊5千円のペンションにしても)もあまり総額は変わらないことがわかります。
それよりもむしろ、スペイン旅行では思い切って1泊3〜4万円の高級ホテルに泊まっては如何でしょうか?
マドリッドやバルセロナにはヨーロッパ特有の伝統と格式のある超豪華なホテルがたくさんあります。それが日本のごく普通のシティホテルとほとんど変わらない料金で泊まることができるのです。
このような機会は、そう滅多にあるものではありません。パラドールと同様に、これらの高級ホテルに泊まって、パッケージツァーとは、ひと味も二味も違った個人旅行を経験してみてはいかがでしょうか?

by“よっぴ”