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第23回 アルカラ・デ・エナレス

はろはろ!こんにちは?!"よっぴ"の「パラドール紀行」です。
前回はパラドール中唯一レストランをもたないオンダリビアでしたので、今回はパラドールの中で唯一宿泊施設を持たない、レストランのみ(これをオステリアHosteriaと呼びます)のアルカラ・デ・エナレスを紹介しましょう。

名称「"Hosteria "EL Estudiante"」学生のオステリア

マドリッドから30kmクルマでも電車でも30分足らずの距離にあるアルカラデ・エナーレスは唯一宿泊施設を持たない食事だけのパラドールです。
名称にもあるように此処はアルカラデエナレスの大学構内にあります。町は1508年にシスネロス枢機卿によって創設された大学を中心として栄え(1836年にマドリッドに移転)、近年マドリッド自治州内では初の文化遺産に指定されました。 この大学は語学教育に特にすぐれ1517年には世界最初の数カ国語の対訳聖書が刊行されています。 またこの町はドンキホーテの著者セルバンテスが生まれた町としても有名です。

大学構内にあるからでしょうか、重厚なインテリアの中にも気軽に食事を楽しめる雰囲気が漂っています。

煉瓦、木製の梁、カステージャ風の家具に彩られたレストランではカステージャ地方の郷土料理を豊富に取りそろえています。

食後にはレストランの入り口の横手から旧サン・ヘロニモ寮の"パティオ・トゥリリンゲ"(三カ国語の庭)と呼ばれる中庭に出てみましょう。
(この三カ国語とは現在使われていないラテン語、ヘブライ語、ギリシア語のことです。)
この中庭は回廊に囲まれ緑の芝と中央の井戸そして2本の聳える糸杉があざやかです。

マドリッドの午後の一時をゆったりと食事を取り大学構内を散策するのも悪くありません。
僅かな交通費と食事代だけでパラドールの雰囲気が十分に味わうことができるもっとも手軽なパラドールなのですから・・・。

このパラドールは現在はレストランだけで週末には家族連れも多く賑わっているのですが、将来は宿泊のホテルも計画されているようです。
そして、そのホテルを予定されている建物はこのレストランの正面に建つ元刑務所というのも面白い話題でしょう。
もし、ここにホテルが出来ればマドリッドに近いこともあり大変な人気のパラドールになるに違いありません。
そのときが楽しみなのですが…。


☆マドリッドの街角で。。。

アルカラ通りを歩いているとかすかに軽快なラテンリズムが聞こえてきた。
歩くに従ってだんだん大きな音となり、やがて通りの反対側に、いかにも中南米から来ましたという感じの男女3人組の姿が見えてきた。
若いシンセサイザー男は大音響を響かせながら道行く人に首を振りながら、こぼれんばかりの愛嬌を振りまき、中年の小太り男はそのシンセサイザーに負けるものかと頬を彼の腹と同じようにまん丸に膨らませて懸命にトランペットを吹いている。
若い女は少しでも立ち止まる人がいれば帽子を差し出している。

中年小太り男のトランペット演奏があまりに見事なのでビルに寄りかかりタバコに火を付けた。 1本、2本、いつの間にか3本目のタバコに火を付けていた。

演奏の合間に道を渡り女の帽子の中に100ptsを2枚入れた。
「グラシァース」僕が言うとその若い女は驚いたような顔をしたが次の瞬間真っ白な歯を見せて「グラシァース」・・・。
値打ちのある200ptsだった。

ヨーロッパの大都市ではこのような演奏や大道芸のパフォーマンスをよく見かける。 一人きりのこともあれば数人のグループもある。

オーストリアのインスブルックでは路上で貧しい服を着た少女がフルートを吹いていた。
まだ小学生に成ったかならないか位の歳の少女だったが、これがまた滅茶苦茶に上手い。少女の前の箱にはそこそこのお金が入っていたが、あれは生活費になってしまうのだろうか、それとも音楽のための学費になるのだろうか・・・。
出来れば後者であって欲しいが。

アテネではほとんど人通りがない寺院の前でギターを持ってビートルズを弾いている男が居たので「イエスタディ」をリクエストしてみた。
「イエスタディ」の演奏が終わっても余程ビートルズが好きなのか次から次へとビートルズの曲を演奏する。
まさに僕の為のコンサートになってしまった。
お礼に千円相当のお金をあげたら何故か貰いすぎだと半分返してよこした。

こういうのに投げ込むお金は気分がイイ、しかし浮浪者や物乞いにお金を渡すときは少し複雑な気分になる。
労働意欲をそぐからあげてはいけないという意見や、子供を使ってお金を集めさせる親方がいるとかいう話を聞くからだ。
確かにそう言う面がないとは言えないし、あげだせばキリがないとも思う。
でも、実際、働き口がないとか働けない状況にあるとか構造的な貧困もあるのでポケットの底にある小銭を入れてあげてしまう。
金額にして数十円、小さなパンでも買えればと・・・。

by"よっぴ"