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第3回 トレド

はろはろ〜!みなさんこんにちは〜!
「パラドール紀行」も第3回目になりました。
今回はスペインでもっとも人気のある町トレドをご紹介しましょう。

ここで今までパラドール紀行を読んでいただいた方には既にお気づきだと思いますが、第1回のグラナダから順にリライトすることにしました。
パラドールそのものはそれほど変わってはいないのですが、新しい観光地情報や交通事情、各種料金などがかなり変更されているので書き換えも必要なのと、実際にパラドールを利用した旅行をしたいのだけど、どの様にしたらいいのか分らない、教えて欲しいという方の為にパラドールを組み合わせた旅行の提案を含めてリライトしてみたいと思っています。
 パラドールを利用した旅は基本的に個人旅行になってしまいます。 一部パラドールを組み入れたツァーもありますが、比較的旅行者の数の割にキャパの大きいサンティアゴ巡例路のサンティアゴ、レオンのパラドール、アンダルシアのロンダのパラドール位なもので、グラナダやカルドナ、カルモナといったパラドールを組み入れたツァーは皆無といってもいいでしょう。 (イベロジャパンではグラナダを組み入れた現地ミニツァーがありますが、これは例外中の例外です)  そこで、初めてでも安心してパラドールを利用した個人旅行ができる方法も併せて紹介したいと考えています。

スペインを旅行されてトレドに行かれたかたも大勢いらっしゃると思いますが、大部分の方はマドリッドからの半日観光で行かれていると思うのです。タシカに決められた時間内で各地の観光地をいろいろ見たいとなればマドリッドから近いトレドに半日観光でも出来た方はしあわせだと思います。

もし、マドリッドに2日か3日居られるのでしたらトレドのパラドールの1泊を考えてみては如何でしょう? マドリッドから高速でたった1時間、帰る前日にマドリッドのホテルでなくトレドに泊まるという手もありますよ。

マドリッドの午後出発するトレド半日観光に参加してトレドの町を効率よく周り、そのままパラドールに泊まるという手もあります。
翌日はAVEと同じ新幹線AVANTでマドリッドに戻ってもよし、帰国の日ならそのまま空港にタクシーを使っても1時間だ。
スペイン最終日の前日にトレドのパラドールに泊まり、パラドールの豪華な朝食をゆったりと取り、空港に向かえば物凄くリッチな気分に浸れること請け負います。
豪華な朝食付きのパラドールの宿泊費だってマドリッドのホテルとあまり変わりないし、空港までのタクシーだって100€位です。

第3回「Toledo」

名称「Parador de Toledo」

マドリッドから南に70km、マドリッドから一番近くて、またスペイン随一の観光地でもある中世の古都がトレドです。
タホ川と城壁に囲まれカスティーリャの大地にそびえ立つ町、そして城壁の中は幾多のモニュメントと網の目のような小道によって作り出され、キリスト教文化、ユダヤ教文化、アラブ文化の融合された芸術の迷宮なのです。

この城塞都市トレドは世界遺産の国スペインでも最も魅力のある観光地と言ってもほぼ間違いないと思いますが、その中でも一番の魅力は展望台から見るトレドの全景でしょう。
トレドを望む展望台(ミラドール)はタホ川の外側の高台に何カ所か設けられていますが、そのうちでも最も高い位置にあるこのパラドールのテラスからの展望はことのほか素晴らしいと言われています。部屋のバルコニーやテラスに座り、ワインを傾けながらToledoの絶景やライトアップされた夜景を楽しめる、最高に贅沢なパラドールと言えるでしょう。

建物はカスティーリャ風のどっしりとした”Cigarral”と呼ばれるこの地方独特の様式の郊外の邸宅風の新しい建物で、中は山小屋風リゾートホテルといった感じです。
(”Cigarral”とはキリギリスのことで広い敷地内にはあちこちに虫の声が聞こえてくるところから付けられたらしい)


室内もアンティークなカスティージャの家具でまとめられていて、シンプルな造りで、柱、梁、柵など木製の部分の黒と壁の白さの対比がとても美しい。

以前は名称に「Conde de Orgaz(オルガス伯爵)のパラドール」付いていましたが最近は単に「トレドのパラドール」とだけ呼ぶようです。
オルガス伯爵の名称はトレドの町の中にあるサントトメ教会の壁画、エル・グレコの最高傑作といわれる「オルガス伯爵の埋葬」から名付けられたものですが、どうも雑誌などで、「元オルガス伯爵の館」を改装して作られたパラドールなどと誤解して書かれることが多かったからでしょうか?
そのせいか最近はガイドブックなどでも、各地のパラドールは名称を付けずに単に地名のみを付けているようですが、現地ではまだ、そのまま名称をつけている所も多いようですので、このパラドール紀行でもタイトルの愛称として付けておくことにします。

さて、このトレドのパラドールは最高のロケーションでありますから当然一年中混み合います。 
多分、日本人観光客の方もグラナダと1,2位を争う位多いと思いますが、寒い冬はやや観光客は減少します。しかし冬場も狩猟、会議などで訪れる人が多くなり、やはり予約が必須でしょう。
日中のトレドの全景も勿論素晴らしいのですが、週末の金、土曜の日没から24時までと要人が訪れたときには町全体がライトアップされて、そのときの景観は別格なのです。
平日しか泊まれず、それでも、どうしてもライトアップされたトレドが見たいと言うのならば、市では個人の観光客のために有料でライトアップをしてくれるプランがあります。料金はモニュメント毎に異なり、アルカサルだけなら91€,街全体なら527.21€で1時間ライトアップして貰えるプランがあるとのことです。
このパラドールはマドリッドから近く、またスペイン有数の観光地でもあり沢山の政治家有名人が訪れていますが、イスラエルの暗殺されたラビン元首相もその一人でした。


☆トレドにて

ホテルで朝食を採っているときだ、隣にいた日本人の新婚旅行のようなカップルの話し声が耳に入ってきた。どうやら午後にトレドに行くかどうか決めかねているらしい。

観光ツァーだと帰りの前日にマドリッド市内観光で午後にオプショナルツァーとして
トレドか自由時間を選択するコースが多いらしい。

彼らもトレドには行きたいのだが、そうすると買い物の時間が無くなってお土産も買えないということだったのだ。
さて、そこで、お節介オジサンの登場だ。
「スペインまで来てトレドに行かないのは如何にも勿体ないヨ。」
「行かないからと言って(知らないのだから)後悔はしないかもしれないが、トレドに行ったら絶対にこのスペイン旅行がより思いで深いものになるよ。」
「お土産なんて空港でも買えるし機内でだって買えるじゃあナイですか、それにマドリッドに戻ってくるのは7時頃だから、スペインでは10時頃までデパートも開いてますからそれからでも買い物は出来るンですよ。」

二人は突然登場したアドバイスオジサンの言葉にトレド行きに相当心を動かされたようではあったが、それでも尚、奥さんの方が買い物も捨てがたい様子だった。
もう一押しだ!・・・。
「じゃあボクの友人で、現地で旅行社をやっているヤツがいるから、そこに電話してみて
ください、多分10€くらい負けてもらえるかもしれないから・・・」

そんな出来事を忘れていた頃、Eメールに知らない名前を見つけた。
そう、彼らからのお礼のメールだったのだ。
電話を書いた名刺にボクのEメールアドレスが載っていたのだ。
勿論、トレドに行って感激した、行って本当によかった、今度はもっとゆっくり歩き回りたい、トレドにも泊まってみたい・・・。そんなEメールだった。

こんなに喜んで貰えてお節介のし甲斐があったというものだ。
ボクも嬉しいし、友人の会社も儲かる、三方一両得だ。

もし、スペインに3時間しか居られないのならトレドに行け、3分しか居られないのなら
トレドの展望台に行けという言葉があるらしい。
トレドの展望台は何カ所かあるがトレドの町が全貌出来て本当に素晴らしい。
その内の一つがトレドのパラドールだ。
宿泊客は勿論だが、一般の観光客もテラスでトレドの町を眺めながらお茶を飲んでいる。

また、週末には町全体がライトアップされ、それは息を飲むほど素晴らしい。
パラドールの部屋のバルコニーからなら尚更だ。

でも週末以外にしか泊まれない客は逆に非常に無念に違いない。
ところが少々お金がかかるが、とっておきの奥の手があるのだ。
市では527€で1時間ほど町全体をライトアップしてくれるという企画があるという。

もし君達が新婚旅行でトレドのパラドールに泊まり、記念にライトアップを希望すれば、翌朝には、君達は宿泊客みんなから感謝され祝福を受けるに違いない。

或いは、彼女に何かメモリアルのプレゼントと思っているのなら・・・。
「週末にはこのトレドの町がライトアップされて夜空に浮かび上がるように輝くンだって」、彼女は「今度はその夜景を見に来たいわ」っとキット言うだろう。
そこで君は時を見計らってトレドに向かって指をパチンと鳴らす。
すると、あら不思議トレドの町がライトアップされて・・・。
(そんなにタイミング良く行くとも思えないが)
彼女は感激のあまり涙が頬を濡らし・・・一生の思い出に残る旅になるだろう。

ッテな事をスペイン在住の或る奥様に話をしたら、「もし私の旦那がそんなことをすると分かったらお金を頂戴って言うわ、500€で極上の生ハムが何本買えると思ってンのよ!」

あ〜あ!
by“よっぴ”