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第73回 ヒホン

はろはろ!こんにちは〜!"よっぴ"の「パラドール紀行」です。今日は北スペイン、カンタブリア海の港町、元貴族の館ですが、レストランとして開業していたものに後から客室を加えてパラドールにしたと言う成り立ちの珍しいパラドールです。

第73回ヒホンGijon
名称Parador"Molino Viejo"古い水車のパラドール

オビエドから北に30kmあまり、カンタブリ海コスタ・ベルデ(碧緑海岸)の古い港町ヒホンがあります。その町外れ、サン・ロレンソ海岸近くのイサベラ・ラ・カトリカ公園に沿った一角、サッカー場の向かいにパラドールは建っています。

現在はほとんど見かけないのですが、この町には15〜18世紀まで水車が数多くあって、このパラドールとなった元豪族の館も、水車が傍らに立つレストランとして開業していたのです。そして、このレストランに増築する形で客室の新館が建てられました。建物の客室はリゾートホテルっぽい内装で、大きな窓からは明るい光が射し込み心地よい空間を作っています。また建物のあちこちにあるサロンがとても素敵です。

一階のガラス張りのレストランから眺められる庭には公園から野鳥やクジャクが遊びに来るのが楽しい。
元レストランと言う割にはL字型のレストランはそれほど広くはありませんが、木造の天井に漆喰の白い壁、大きな窓と少し暗めの照明がなんとも心地よい雰囲気を醸し出しています。尚、シドラーというリンゴ酒はこの地方の特産品です。

レコンキスタ発祥の地で生まれたアストゥリアス王国の教会建築は世界遺産にも指定されていますが、オビエドのナランコ山のふもとには方形二階建ての美しい教会、842年に建てられ、アストゥリアスの王様、ラミーロ1世が住んでいたアストゥリアス建築様式のサンタ・マリア・デル・ナランコ教会がある。この建物は、11世紀以降のロマネスク建築様式を2世紀も前に先取りしていると言われています。
他に、サン・ミゲール・デ・リーリョ教会、サンタ・クリスティーナ・デ・レーナ教会があります。


*雑文館(個人旅行のノウハウ編)*

個人旅行No8 「パラドールの過ごし方」

パラドールも基本的には何ら他のホテルと変わるものではありませんが、全体的にゆったりと造られていて、特にパティオ(中庭)やサロンなどの共用施設に素晴らしいものがあります。アスレチックジムやプールなどは珍しくありませんがヨーロッパ有数のゴルフ場を持っていたり、自然を楽しむためにも色々なプログラムが作られていたりします。
 またパラドールは歴史的建造物を改装して造られたものが多く、日本からの観光客の大半はそのような建造物に泊まることを期待して行かれる方が多いと思います。 そして、そのパラドールが古城などであれば楼閣に登ってみることも出来ますし、古い暖炉や石壁などが残された部屋に出会うかもしれません。

スペイン政府のパラドールセンターでは毎年1、2か所の新しいパラドールを計画していますが、今後はすべて歴史的建造物のホテルとするようです。
 歴史的な建造物を改装されて造られたパラドールでも増築や改築がなされた部屋は設備など高級ホテルと比べても何ら遜色はありませんが、古い建物をそのまま利用した部屋などは(設備や清潔さには問題は無いのですが)まれに狭い部屋もあります。特にグラナダは、料金は他のパラドールの倍するのに部屋の広さは半分などということもごく普通にあるのです。
モチロン、どんなに部屋が狭くてもサロンやパティオを含めた、その歴史的な重みを感じさせる雰囲気は特別なものがあります。
その為にグラナダの「ホテル・サンフランシスコ」などは人気が衰えるどころか益々予約が困難なパラドールになってきています。
このような歴史的建物のパラドールに泊まったら、部屋だけでなく、必ず時間を割いて中世の雰囲気を残すサロンやアラブの香りのするパティオ、元修道院ならば礼拝堂などでゆったりした時間を過ごして欲しいと思います。

パラドールでの食事ですが、朝食は大体朝の8時頃から、昼食は2時頃から、夕食は9時頃からが一般的な時刻です。まあ日本人から思うと大体2時間遅れと思えば良いと思います。夜はゆっくりと散歩やサロンで時間を過ごし、朝もゆっくりと起きて出かけるのがパラドール流の旅行と言えるでしょう。(チェックアウトは正午です)
イベロで申し込んだ場合はすべて朝食込みですから必ず摂りましょう。
早朝に出かけるので朝食を摂る時間がないというのは如何にも勿体ないと思います。
何故ならパラドールの朝食はアメリカンスタイルのビュッフェで卵料理、肉料理、チョリソー、生ハム、チーズに沢山の果物にジュース。どれも新鮮で美味しいものばかりです。

夕食の予約は、普通は要らないと思います。何故なら一番混むのが10時過ぎ、日本人の多くはオープンを待ちきれずに入るので待つ必要がないからです。
しかし、グラナダやトレドなど外人の観光客や日帰りの客が非常に多いパラドールでは食事の時間も早めで、前もって予約をした方が安心かも知れません。
一般にパラドールのレストランはその町で一番高級なレストランとされています。
ですから町中のレストランよりは多少高くつきます。それでも大体コース料理で3000円から、それに飲み物です。勿論ア・ラ・カルトもあります。
パラドールのレストランは、味はモチロン、とても雰囲気がいいところが多いのできっと満足するでしょう。メニューにはスペイン語の他に英語版も必ずあります。
あまりお腹が空いていないときにはア・ラ・カルトでもいいでしょう。
単品のお料理を二つ取って二人で分けて食べるのもオケですし、(意志表示をすれば)チャンと二つのお皿に分けて持ってきてくれます。このような場合には少しチップを大目に置けばよいのです。
レストランの側には大抵バルがあって、着席を待つ客が一杯してたり、此処で軽い食事を済ませてしまうことも出来ます。

by よっぴ