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第10回 ビラルバ

はろはろ〜!こんにちは〜、“よっぴ”の「パラドール紀行」です。
今日はスペインで最も小さく予約の取れないパラドールとされていましたが、2000年に増築されたことで泊まり易くなったビラルバのパラドールを紹介いたしましょう。
この文化遺産である旧建物を共有スペースとして利用し、より多くの観光客を満足させるという手法は、このビラルバのパラドールの営業はもちろん、他のパラドールのこれからの営業にも大きな影響を与えることでしょう。

第10回Vilalba
名称Parador“Conde de Vilalba

ビラルバのパラドールはイベリア半島の西北ガリシア地方の城壁の町ルゴから36km、ア・コルーニャから86kmに位置し、ビラルバの町中にあるアンドラ家の古城(と言っても塔の部分しか残っていなかったのですが、)の素晴らしい八角形のロス・アンドラデの塔を中心に改装され、1967年パラドールとしてオープンしました。 かつては塔の部分のみで営業しており、その当時の客室は僅か6室しか無く、パラドールでもっとも小さな規模のものでしたが、塔に隣接して2000年に客室42室をもつ新館が造られ、これをガラス張りの廊下でつなぎ両者を上手くミックスさせることで全く違和感のない素晴らしいパラドールに生まれ変わりました。

塔の部分は以前のまま各階2室ずつ計6室と共有スペースとして中世の雰囲気を残すサロンを残し、塔の部分と一体化させた新館の客室は中世の雰囲気を残しながら明るくゆったりとしたものとして、いずれもエレガントに装飾され申し分のない部屋です。
旧い塔の中の客室か新しい部屋にするかは選択に迷うことでしょう。

塔の建物の中は地下室をコンベンションホールとして会議などに使い、1,2階は吹き抜けで、石造りの壁と黒光りする木材に飾られた素晴らしいサロンとして使われています。


  

塔内の三階から五階にかけて各二部屋ずつ配置されていますが、いずれの部屋もスウィートタイプの広々とした重厚な石壁で囲まれ、中世の雰囲気がたっぷり漂っています。
塔の内部は外から見るよりもはるかに広くてエレベータまで設置されています。 塔の屋上に上がれば遮る建物も無く、ビラルバの町が眼下に広がっているのが臨めるでしょう。
また、夜には窓から望むビラルバの塔がライトアップされてとても素晴らしい。 (当然ながら、このライトアップされた塔を眺められるのは新館のみです。)
もちろん、サロンやレストランはどちらに泊まっても利用できます。

このパラドールは町中にあるために敷地にゆとりが無いため駐車場も地下に設置されています。
以前の6室しかないときでも、客室定員12名に対して従業員は20名近くおり、いくら国営企業と言えども採算のとれる施設ではなかったでしょう。
ほとんどの観光客は泊まるのを最初からあきらめていたのですが、今回の増築によって、より多くの人々にビラルバのパラドールでの楽しみを提供出来ることになったのです。
たとえ泊まるのが増築された新館だとしても、そこから眺める中世の塔と、500年前のサロンで過ごすひとときは忘れ得ぬ旅の思い出となるに違いありません。
このようにパラドールは新装、改装を重ねてより多くの人に、より快適に、自然や人類の遺産を楽しみながら保存する工夫をしているのはとても素晴らしいことだと思います。
設備が整ったことでこのパラドールも3つ☆から4つ☆に格上げされています。


☆ バル

スペイン人にとって欠かせない必須のモノであり、加えてスペイン旅行にもっと利用したいと思える施設にバルがあげられるでしょう。
バル(英語でバー)という名前からしてビールやワインを飲んだり、せいぜいコーヒーを飲むところだと考えられやすいのですが、このバルとは単にコーヒーを飲んだりビールでのどの渇きを癒す場所というだけではないのです。
バルはスペインのどんなに小さな村にもあって、一年中、休みもほとんどなく、朝から夜中の2時頃まで開いているスペインのコンビニエンスストアと言っていい場所なのです。
観光地なら地元のお土産物やミュージックCDを売っているし、サッカーくじの受付もしています。
トイレに行きたいとき、電話をかけたいとき、ペットボトルの水が欲しいときはモチロン、
疲れたときの休憩に飲み物を飲むだけでなく、ちょっとしたレストランの代わりにもなるのです。 毎日、毎日、レストランでチャンとした料理を頼まなくてもタパスと呼ばれる小皿料理を何品か取り、付いてきたパンと飲み物で食事が摂れてしまうのです。

スペインオムレツを始め、烏賊のリング揚げ、烏賊の墨煮、茹でた海老、芝海老のニンニク炒め、イワシの酢漬け、シシカバブ、ムール貝、エスカルゴ、モツ煮など、何処のバルでも自慢のタパスを20品ほど用意しています。
もちろん、スペインの生ハムとチーズを挟んだサンドウィッチ、ボカディージョを買って
公園や町中を歩きながら食べるのも気持ちのイイものです。
昼間はカウンターやテーブルでタパスをつまみながら飲み物を飲んだり、パンをかじったりしているバルでも、夜に外国人が食事用に色々な料理を頼むと、気を利かせて、紙で出来たテーブルセンターを敷いてくれたりします。

通常は、昼は喫茶店、夜は酒場として町のおじさん達のたまり場になっていたりするのですが、ときどき夜のサッカー観戦場となったりもします。
特に好カードの試合のときには家族中でバルに出かけるのも珍しくありません。
これは家庭のテレビよりも大きな画面で見たいからもありますが、サッカー中継が衛星テレビであったり、衛星のペイテレビであったりして、家庭の一般放送では見ることが出来ないからなのです。
バロセロナFCとレアル・マドリッドのクラシコなど、人気の高いゲームは10€もするそうで、ロードショウの映画ですら7€位ですし、10€もあれば二人位の飲み代になってしまいそうです。 もっとも、こんな時には店も超満員、椅子に座りきれないで皆立って観戦しているし、試合が始まれば、店主やコックも注文などそっちのけでテレビに釘付けです。
見知らぬ町のバルで、一緒になって地元のチームでも応援すれば、もう気分はアミーゴでしょう。

by“よっぴ”