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第31回 オリテ

はろはろ!こんにちは〜"よっぴ"の「パラドール紀行」です。
ナバーラ王の巨大な城郭を取り囲む町オリテは「ゴシックの町」と呼ばれ、中世の雰囲気を残すとても魅力的な町です。

第31回オリテOlite
名称Parador"Principe de Viana"ヴィアナ王子のパラドール

考古学上からは紀元1世紀にはローマ帝国の居住地があり強固な帯状の壁で囲まれた丘があり、現在の町の周囲にはローマ時代のヴィラ跡がありますが、中世以後はナバーラ王に愛されたオリテは繁栄の時代を迎えることになります。 オリテの駅から徒歩10分足らず、旧市街のど真ん中にオリテのナバーラ王の城塞があります。

15世紀の始めにカルロス3世によって夏の宮殿として建てられたのですが、カルロス3世は母方のフランスで幼少時代を過ごしたため城はどことなくフランス風で、彫刻や暖炉などにもフランス宮廷の香りが漂っています。

一度、このオリテの城は19世紀の始めナポレオン軍との戦いで焼け落ちて廃墟となってしまったのを見事に復活させ、その一部を近年パラドールとして蘇らせたものです。

素敵な雰囲気のレストランの隣には絨毯が敷き詰められた暖炉のついたサロンがありますが、その暖炉の向かいに、このパラドールの愛称となっているヴィアナ王子の油絵が飾られています。
カルロス3世の死後、娘のブランカが跡を継いでナバラ王国の女王となりアラゴン王国の皇太子ファンと結婚してヴィアナ王子をもうけるのですが、女王は夫に毒殺され、息子のヴィアナ王子ですら、正統な跡継ぎということで王位を狙う父親から疎まれ、幽閉され獄死することになるのです。

このとき、幽閉された部屋の扉がサロン奥の階段を数段上がったところにあります。
普段は扉も閉められているのですが頼めば開けて見せて貰えるでしょう。
鉄格子の向こうは6畳にも満たないせまい部屋に壊れかかったベッドが一つ置いてあるだけの粗末な部屋です。

このサロンは照明も控えめで当時の情景を思い起こすのに絶好な雰囲気を作り出しています。

部屋は増築された新館は広く明るいのですが、この旧宮殿内の部屋は、壁も削った石が剥き出しで天蓋付きのベッドや暖炉と併せて中世にタイムスリップしてヴィアナ王子が現れそうな気分にさせてくれるでしょう。

もちろん、怖がりの方は新館へどうぞ。

お城を中心にオリテの町は時間を忘れた中世の都市のようです、ゆっくり散歩を楽しんで下さい。
サン・ペドロ教会 は オリテ最古の教会で、ロマネスク様式で建てられ、のちゴシック様式の拡張工事がなされている。先細りで八角形の鐘楼のついたサン・ペドロ教会のファサード(正面の顔といえる部分)の両側に付いている二羽の鷹は左側は(野兎を襲っている)猛々しい力を表し、右側は優しさの象徴とされる。
 またサンタ・マリア・ラ・レアル教会は王家の礼拝堂だった教会で、繊細な多葉形のアーケードがついたアトリウムに続く14世紀のファサードはナバーラの見事なゴシック彫刻が施されている。


☆パンプローナにて

牛追い祭り(サンフェルミン祭)で有名なパンプローナ、この町は文豪ゲーテがこよなく愛した町として(市内中心部のカスティーヨ広場には未だゲーテが通ったカフェ・イルーニャがあり旅行者の人気を集めている)、また名バイオリニストであり作曲家であるサラサーテの生まれ故郷としても有名です。

そんな町パンプローナを抜けてフランスとの国境のリゾート地オンダリビアに向かう途中だった。
日曜日でもあり交通渋滞なぞ無いはずなのに、交通整理の警察官の姿がやけに多いなあ・・・ット思う間もなく、いきなり大通りの交差点の手前50mくらいのところでクルマがストップさせられてしまった。
前方の大通りをマラソンのランナーが走り抜けていく。
運悪く市民マラソンレースにひっかっかってしまったらしい。
前方は交通整理の警官が10人程出てクルマの通行を遮断しているが後続のクルマがどんどんやってきて片道5車線の広い道路は完全にクルマで埋め尽くされて身動きがとれなくなってしまった。
まあ暫くすれば通り過ぎるだろうと思っていたが、かなり大きな大会らしく10分、15分と経っても一向に最後尾となる様子が窺えない。
警察官もランナーの切れ目をみては数台づつクルマを横断させているのだが、時間が経つに連れ後ろのクルマからクラクションが鳴り出したが最後、ほとんどのクルマ数百台が一斉にクラクションを鳴らしだしたのだから、もの凄い地面が揺れるほどの響きでどうにもたまらない。
それでも物足りないのか十数人の男(いや、確か数人の女性も混じっていた)がクルマを降りて警官にクルマを通せと食ってかかる。
どうやら「ここはパンプローナだ、マラソンランナーなんか蹴散らせてしまえ」っとでも言っているのか?
もちろん警察官もそんなことには動じない。
逆に運転手を怒鳴り散らしている、指には火のついたタバコを持って・・・。
待つこと20分、やっとランナーが途切れ道路を横断できたが、今度は後続のクルマが
今までの鬱憤を晴らすかのようにもの凄いスピードを上げて追ってくる。
(アレグロ、クレッシェンド、チゴイネルワイゼンだ・・・)
まるでサンフェルミン祭の牛に追いかけられているかのように我々もスピードを上げて逃げ、やっと道路脇にクルマを寄せて後続のクルマが通り過ぎるのを待った。
いまではスペイン北部は緑も多くしっとりとした雰囲気のチョット日本の田舎を感じさせる。っと思っていたがやっぱり此処もスペインだった。

by"よっぴ"