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第66回 カソルラ

はろはろ!こんにちは〜!"よっぴ"の「パラドール紀行」です。今回は21万平米を超えるカソルラ山脈=セグラ山脈=ラス・ビリャス山脈自然公園の豊かな自然に囲まれたカソルラのパラドールです。

第66回カソルラCazorla
名称Parador”El Adelantado"前進のパラドール

ハエンから約100km、Cazorla山脈に張り付くような同名の町に入る。この町(村)は城の塔が聳え、古い家屋に囲まれた二つの小さな広場。断崖にへばりついた急峻な道と階段があり独特の景観を作り出しています。この村から険しい山道を24km入った標高1400mの断崖絶壁に1965年パラドールが作られました。

アンダルシアを流れる大河、グアダルキビル河の源流となるこの地は多くの水源に恵まれ、深い森林には鹿、山羊、猪、ワシなどたくさんの動物が住み、登山やハイキングも盛んな地域です。パラドールから5kmほど下ったところに源流の一つエレリナスの泉があり、イサベル女王がアルハンブラに攻め入るときにこの泉を渡り、そこからパラドールの名称「前進El Adelantado」が付けられました。
この自然を守るために21万haにも及ぶ広大な自然公園の中に唯一軒だけ建築を許された建物がこの瀟洒な山小屋風のリゾート型パラドールなのです。

宿泊する客は圧倒的にスペイン人が多く全体の80%を占め、日本人は全体の2%以下、他は狩猟愛好者の仏、英、独人が多いそうです。ヨーロッパ人はクルマで行く人がほとんどですが、日本人のようにパラドールに行く手段の無い人のためには、その場合には町まで迎えに行くことも出来るので日本から行く人は問い合わせて欲しいとのことでした。高地の為、4月から利用が増加し、6〜9月がピークでまた下降線をたどり11月中旬〜2月の冬季には閉館期間があります。このパラドールに住むディレクターの家族も冬場には実家に戻るそうです。

町から離れたところにあるためにパラドールでは4X4を使った5種類のExcursionを用意していて10:00,16:00の2度各4時間をかけて動物を見るコースを2種、景色を楽しむコースを2種、そしてそのMIXのコースを1つと滞在客の希望で行います。またレンタカーも近くにあり、日本のSuzuki Vitraが用意されています。プールのある大きな庭には食材の残りを入れておく場所があり夕方5〜6時頃、鹿などの動物がこの餌を食べに来るのを観ることができます。また野生のヤギを崖の上などに見ることもあります。
鹿の交尾の時期である9月頃には牡鹿が牝鹿を呼ぶ声が静けさの中に響きわたります。
このパラドールは家族連れが多いため子供の遊び場もあり、長期の宿泊希望者も多いそうです。


*雑文館(個人旅行のノウハウ編)*

このコーナーではスペイン旅行で気づいたこと、素敵な田舎町などスペイン旅行をなさる方に何か参考になればと思って書いてきましたが、個人旅行そのものが初めてで、ホテルや航空券、バスの乗り方と言った基本的な問題についてこれからしばらくは個人旅行のノウハウみたいなものについて少し話してみたいと思います。
ここでの個人旅行というのは独りぼっちの旅と言うわけではなく、パッケージ旅行では物足りない、特別に行きたい美術館がある、パラドールのような特別なホテルに泊まりたいというようなひと味違った旅行をしたいという個人を含めた小グループの方へ少しでもお役に立てればと思っています。
ですから、特別贅沢な旅行をするということではありませんし、かといってバックパッカーの方の為にいかに旅行を安く上げるかということでもありません。
モチロン、このイベロ・ジャパンのホームページをお借りして書くのですから、パラドールも含めたスペイン旅行を想定して書きますが、他の地域にも共通する部分もあると思いますので参考にして頂きたいと思います。

個人旅行No1
☆ 航空機について

個人旅行で最初に考えなくてはならないのは行き先を決めて航空券を購入することから始まりますがチケットは何処でどのように購入するのでしょう。
ヨーロッパへの正規航空運賃は70万円以上します、これはビジネスクラスでなくエコノミーです。ビジネスクラスでは100万円以上、ファーストクラスでは何と250万円以上します。 ここで「ひぇ〜それじゃあ個人旅行なんてとても無理だ!」なンて言わないで下さい。これはあくまでノーマルな航空運賃で実際にこの料金で飛行機に乗る人はお金持ちか高級ビジネスマンか税金で乗れる議員や公務員の人たちだけでしょう。
通常私たちが旅行で使うチケットはいわゆる格安航空券というものでシーズンや航空会社によってばらつきはありますがヨーロッパ往復で10万円〜25万円位でしょう。
安いのは冬場など旅行客が少ないとき、高いのは正月やゴールデンウィーク、夏休みと言った旅行客が多いときです。
この格安航空券というのはいわゆる団体割引の航空券をバラ売りしたもので、各航空会社も黙認するというよりもこの航空券を売らないことには経営が成り立たないようになっています。ではここで少し正規航空券と格安航空券との違いを考えてみましょう。

私たちが格安チケットで乗る場合は、大抵はエコノミークラスのシートです。
ですから正規航空券=ビジネスクラスと思われる方も多いと思いますが、正規チケットにもエコノミーとビジネスの違いはあるのです。
正規航空券のメリットとすれば、第一に「いつでも、どの航空会社でも乗れる!」ということがあげられます。
格安チケットの場合ですと行き帰りの日にち&航空会社が決められてしまうのが普通です(帰りはオープンの場合もあります)が正規チケットの場合は飛行場に行って、座席さえあればIATAに所属する航空会社のどの便に乗ってもヨイのです。
それに行き先がマドリッドであってもローマ、チューリッヒ、パリ、ロンドンと途中降機も出来ます(戻れないなどの一定のルールはありますが)
通用期間も格安チケットが原則35日間に対し1年間有効です。

最近はPEX(正規割引運賃と言われるもの)が主流で、いわゆる団体割引のチケットをバラ売りした格安航空券はほとんど出回っていません。
これは少しでも航空券を高く売りたいという航空会社が自社で売れるように個人向けに売り出したもので、旅行会社間での運賃の差があまりないように、また運賃の額が航空会社主体で決められるようにッとの思惑から格安航空券とほぼ同じ条件で航空会社が正規割引航空券として売り出したものです。
したがって、正規割引運賃にも格安航空券と同じように期間や購入・発券の期限やキャンセル時のペナルティーなど様々な制約があります。そして、条件が厳しければ厳しいほど料金が安くなる仕組みです。
利用者にとってはPEX運賃も格安航空券と料金、条件などほぼ同じなので、今までの格安航空券と同じものと思って構いません。
ただ、航空会社が料金を決めるので、どの旅行会社で買っても料金はほぼ同じとなり、安い旅行社を探す手間は要りません。 旅行社間よりも利用するエア(航空会社)の違いの方が料金の差が大きいのです。

また、割引運賃の客だといっても、航空会社にとっては大事なお客様ですから万一、乗る予定の便が欠航になってもスグに他社便を振り替えたり、次の便の座席の確保に努めます。 しかし、正規の割引のない客が最優先なのは間違えなく、格安チケット(PEX)の客はオーバーブッキングと言われて乗れないこともあります。
正規運賃を払うと、航空会社によっては自宅までハイヤーで迎えに来てくれたり、到着空港に迎えに来てホテルを一泊提供してくれるなどのサービスもあります。
正規のエコノミーチケットの場合でも(70万円も出すのですから)アップグレイドしてビジネスクラスの座席に案内してくれることも多いようです。 モチロン機内では広いシートに高級な食事ですね。
ただ、50万円もの差額を払ってビジネスクラスに乗るかはその人の価値観の違いですから非難することではモチロンありませんが…。
最近はこの格差を解消すべく??航空各社も(プラス10〜15万円位で)格安のビジネスシートを提供するようになってきています。これは座席だけ(或いは食事も)ビジネスであとの制約(航空会社が決められている、出発日の変更やルートの変更が出来ないなど)はあるというものです。

格安航空券のデメリットは当然正規航空券メリットの逆です。
では、これは本当にデメリットと言えるでしょうか?
普通私たちが旅行をするときには出発の日にちや行き先は決まっているものですし1年もの長い間旅行するということも先ずないでしょう(以前ミラノからデリーへの機内で隣り合った南アフリカの新婚さんは1年かけて世界一周の新婚旅行をするといって一年の世界一周のオープンチケットを持っていましたが…)。
空港の送迎やホテルのサービスも運賃の差額を考えれば同じ事を旅行代理店に頼んでも安いモノです。一番の差は座席でしょうがこれは前述の格安ビジネスシートもあります。

オーバーブッキングではじかれてしまう恐れも早めにチェックインを済ませてしまえば降ろされる心配はありません。アトから来た正規料金の客のために席を譲ってくだされば「ホテル代+300$+明日の便を確保する」とか言われることはありますが…(笑)
これで格安航空券(PEX)を利用することに不安を抱いていた人にも少しは安心して頂けたでしょうか? つまりホトンドの乗客は格安料金(PEX)のお客様なのです。

さて次はこの航空券の購入と利用の仕方ですが、「そんなのは旅行会社に行って出発日と行き先を言えばいいンだろ?」って確かにそうなんですが…。

航空券の購入は原則として出発の4日前までに購入する必要があります。 3日前になると一度航空会社に戻してしまうので購入しにくくなります。

もちろん出発日が決まればなるべく早く購入したほうがヨイと思います。ツァー客が多い場合など満席でチケットそのものが手に入らない場合も多いですし一般には早く予約をした方が安いと思います。(45日前までに購入した場合安いなど…)
 ただ、あまり空席が多いと見込まれる場合は出発直前に値下がりする場合もあります。(時間の制約の少ない学生さんたちはこのようなチケットを狙うこともできますが…)

さて行き先がスペインに決まったとします。ではどこのエアラインを選べばヨイのでしょうか?
スペインには現在、日本から直行便が飛んでいないので一度ヨーロッパの何処かの国の空港を経由して入国しなければなりません。これはJALやANAなど日本の航空会社もKLMや英国航空エア・フランスなどのヨーロッパの航空会社も同じことです。
ただ、JALやANAはロンドン、パリ、フランクフルトなどの乗り換え(トランジットと言います)空港からは他の提携している航空会社を利用します。
したがってヨーロッパの航空会社を使った場合は乗り換え分の搭乗券も日本で一緒に発券して貰えますがJAL、ANAの場合は通常乗り換え空港でもう一度、提携他社便の搭乗券を発券してもらう必要があります。また、場合によっては、日本で機内に預けたスーツケースを一旦受け取り、再び預け直すこともあります。(パスポートチェックはシェンゲン協定の国(大部分のEU加盟国)では乗り換えの空港で行いスペインでは行いません、逆に出国の場合スペインで出国審査を行い乗り換え空港では行いません)ただし、ロンドン乗り換えの便は注意が必要です。イギリスはEU加盟国ですがシャンゲン協定には入っていないため、スペインで入国・出国審査があります。このシェンゲン協定ですが、2013年7月にルールが改正されたので、複数の国を周遊するときや頻繁にヨーロッパを訪れる方は注意が必要です。http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page4_000122.html(外務省の渡航関連情報より)

次はスペインに入国するときの空港です。マドリッドとバロセロナを利用する旅行客が圧倒的に多いのですが他にも利用する航空会社にもよりますがマラガ、ビルバオといった国際空港を利用することができます。1回乗り継ぎで行けるのはエールフランス航空ですが、曜日によってはルフトハンザ航空やフィンエアーも使えます。
ただ、この場合時間的に都合の良い繋ぎの便があるかどうかは航空会社によって違ってきますので旅行代理店や航空会社に調べてもらいましょう。
モチロン、入国と出国の空港を違えることもできます。(オープンジョー)

もし貴方が少し長めの休暇が使えて、フランスやイタリアも回りたい(或いは短い休暇でも、どうしてもパリに寄りたい、ローマで観光をしたい)という希望があればその希望する国のナショナルフラッグ(この場合エア・フランスやアリタリア・イタリア航空)を使えば可能です。通常これらヨーロッパ内の移動でも片道で5万円程かかってしまうのですが、これらのナショナルフラッグを使えば両方の国が観光出来てしまうのです。
つまり「エア・フランスを使って自分はスペイン旅行をする。入国の空港はマラガ、鉄道、レンタカーなどを使って出国はバロセロナからだが、帰りにちょっとパリに立ち寄る」という(ストップオーバーと言います)ふうにします。
本来、日本からヨーロッパへは原則として同じ料金なのです。ですから日本―パリも日本―パリ―マラガでも同じ料金なのでパリーマラガ間のチケットは無料ということになります。ただ、最近は航空会社もセコクなってきて、航空券にいろいろ制約をかけて乗継便の航空料金を追加したり、ストップオーバー手数料などと称して料金が高くなる場合が多いようです。しかし、この場合でも自社便もしくは提携航空会社の便で繋げれば片道5,000〜10,000円程度(エールフランスの場合)なので、バラバラに航空券を買うよりはずっとお得なので自由旅行で時間が取れる方はこの制度を利用しない手はありません。
逆にフランス国内を旅行した人が観光の途中(或いは帰り際でも)マドリッドに飛びトレドのパラドールに泊まるだけで帰るということも出来るのです。
スペイン旅行の帰りにパリ観光(エア・フランス)やローマで買い物(この場合はアリタリア航空ですね)も出来るのですから…。
さて万一飛行機が遅れて乗り継ぎ便に間に合わなかったときはどうしましょう?
これは次回に…

by“よっぴ”