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第12回 サンティアゴ・デ・コンポステーラ

はろはろ!こんにちは〜!“よっぴ”の「パラドール紀行」です。

今日はパラドールファンなら一度は泊まってみたい、サンティアゴ・デ・コンポステーラのパラドールです。
社会科に詳しい人なら知っている、ここサンティアゴ・デ・コンポステーラはキリスト三大聖地の一つで、今なお世界中から多くの巡礼者がこの聖地を目指してやってくるのです。

スペイン語でサンティアゴとは聖ヤコブのことを指し、コンポステーラとはラテン語で星の原っぱと言う意味だそうです。 ヤコブとはキリスト12使徒の一人でヤコブ兄弟の兄の大ヤコブのことで12使徒の中でも最もキリストに近い存在と見なされていました。

その為、ペテロが眠るローマと同格と言うことでサンティアゴが三大聖地に数えられているというのです。
聖ヤコブはスペインで伝道したあとパレスティナで殉教し、その首ナシ遺骸が弟子の手によってスペインに運ばれたというのです。
それが、ナントマア不思議なことに、800年も経った9世紀初頭に司教テオドミーロが星に導かれて、聖ヤコブの墓を発見するのですね。
そしてアストゥリアス王のアルフォンソ2世がこの墓の上に教会を建てさせます。

レコンキスタが続く中で聖ヤコブはキリスト教の守護聖人とみなされて、苦戦が続くと 白馬にまたがった聖ヤコブが助太刀に現れてはイスラム教徒を殺したというのです。 つまりレコンキスタを遂行する上での精神的なエネルギーとなったのでしょう。 実際、イスラム軍と戦うときには“サンティアゴ!”と声を上げながら突撃していったのです。 面白いことに、日本でも、天草の乱のときに、弾圧を受けたキリスト教徒たちが「さんちゃご!」っと叫びながら戦ったという記録があるそうです。 教会は1078年から建て直され、現在の教会は1128年に完成しています。 当時とすれば、たった50年であれだけの大聖堂を完成させたのは驚くべき早さと言えるでしょう。

第12回Santiago de Compostela
名称「Hotel”Reyes Católicos"」カトリック両王のホテル

エルサレム、ローマに並ぶ、世界で三番目のキリスト教の聖地サンティアゴには中世から今なお、あらゆる階層の、多くの巡礼者達が各地から毎年集まって来ます。 交通の発達した現代でも、フランスからピレネー山脈を越える「サンティアゴの道」を歩き続けてきた巡礼者もいれば、観光バスに乗ってくる旅行者もたくさんいます。 しかし、目指す目的地は、サンティアゴ巡礼路の終着地であるサンティアゴ大聖堂です。 そして、その大聖堂と同じく、オブラドイロ広場(スペイン広場)に面して建つ歴史的、芸術的建造物がパラドールなのです。
1499年にアラゴンのフェルナンドとカスティーリャのイサベルのカトリック両王によって建てられた王立病院兼巡礼者の宿泊施設が450年以上経ってホテルとして蘇る、まさにパラドール中のパラドールとも言えるでしょう。
フレスコ様式の彫刻の施されたファサードの入り口を抜け中にはいると右手にレセプション、正面に王の礼拝堂があります。
その広い空間を利用して現在は絵画の展覧会の会場などやコンサートにも利用されています。
プラテレスコ様式の4つの中庭を囲む十字型の建物は修復されてはいますが、当時の姿を残しているのです。

サロン、バル、レストラン、パティオ、何処に身を置くにしても、何をしていても決して飽きさせることがないパラドールと言えるでしょう。

一般の宿泊客が、このパラドールからオブラドイロ広場、つまり大聖堂を眺めることができるのは二階にある朝食と昼食に使われるレストランだけです。 ット言うのは、三階にはオブラドイロ広場に面した特別室が三つあるのですが、二部屋はいつも政府が借り上げており、あとの一室もほとんど貸し切り状態なのだそうです。
この中でも301号室はローマ法皇や歴代の大統領が泊まっているという特別室です。 フェロール出身の独裁者フランコも当然何度もサンティアゴを訪れているのですが、残念ながらこの301号室には泊まったことが無いそうです。 何故なら、サンティアゴで一番エライのは大聖堂の司教なのですが、どういうわけか、彼はフランコが大嫌いで、フランコがサンティアゴを訪れるときには必ずこの部屋に自分が泊まってフランコの宿泊の邪魔をしたらしいのです。 5つ☆とは言え一般の部屋は特別豪華なわけではありませんが歴史の重みを感じながら眠る一夜は特別な感慨があるでしょう。

サンティアゴは数多くの修道院、教会、魅力溢れる活気ある旧市街、16世紀に創立された大学、と非常に見どころの多い町です。町の散策とパラドールでのゆったりとした落ち着きの時間、一泊で去ってしまうのには如何にも惜しいのですが・・・。


  


☆水

日本人旅行者がスペインに来て一番最初に買う物、必要な物と言えばミネラルウォーターでしょう。
勿論、スペインの水道の水が飲めないわけではないし、実際多くのスペインの人は水道の水も飲んでいます。しかし、一部の地方を除いては水道の水は美味しくないし、観光客はペットボトルの水にお世話になることになります。
特に夏のアンダルシア地方はヨーロッパのフライパンと呼ばれ、気温が50度を超えるときもあり飲み水は欠かせません。 
日本と同じように小さいのと大きいのがあるが値段はさほど変わりません。 銘柄や買う場所にもよっても多少の値段の違いがありますが、一般に、小さい500mlで1€、大きい1.5リットルで1.5~2€位でしょう。
大きいのがお得なンですが、スグに温くなってしまうし、持ち運びを考えると小さいのを何回も買うことになります。
町中のバルや薬局で買うのが普通でしょうが、観光地ではどこでも買うことができますし、時には、水売りの屋台が出ていたり、自販機も良く見かけます。
ただ自販機は壊れていることが多いので他の人が買うのを確かめてから買ったほうが良いでしょう。でないとお金だけ吸い取られてしまうことがヨクありますからね。(笑)
最近、水売りの屋台では水が半分凍ったペットボトルを売っているところもあります。 夏の観光客にとってはありがたいものができたと思いました。 まあ、1時間も持たずに解けてしまいますが…。(ホントは甲子園のカチ割りがイインですけどね)

ボクは日本茶のティーバックを持っていき、水だし茶として飲んでいます。
小さいボトルなら一つ、大きいボトルなら3つ程、瓶の口からティーバックを入れて、ホテルの冷蔵庫に一晩置くと丁度ヨイ濃さで美味しい水だしお茶が飲めるンですよ。

ところでスペインに来て早々、下痢をした、お腹が痛いという人が時々います。
先ず、一番最初に疑わられるのが水と料理なんですね、ミネラルウォーターを飲んでいたし何故?ット最後には「あっ!きっと水道の水で歯磨きをしたからだ・・・。」っとまで言い出す人もいるらしいのです。
スペインの水道だってチャンと滅菌してありますから細菌の心配はナイと思うのですが、まあ大抵は長い旅による少々の疲れと、暴飲暴食が原因と思われます。 時差や機内での寝不足の上に、添乗員さんによると、タダだとばかり機内食やホテルの朝のバイキングで食べまくる人が以外と多いようです(笑)。
あと、注意しなければいけないのはミネラルウォーターの飲み過ぎがあるンですね。
ミネラルウォーターだから安全とばかり水をがぶ飲みする人が案外多いようです。
普段あまり水を飲まないのにペットボトルを持っているからつい口に運んじゃうンですよね。 それと、水の質の問題があるのです。 スペインの水だから悪いと言うことでなく本当のミネラルウォーターが問題なのです。 ッというのは日本の水はいわゆる軟水で、純粋に言えばノンミネラルウォーターと言えるンですよね。 つまりスペインの水(ヨーロッパ一般)は非常にミネラルに富んでいて日本の水の20倍から100倍ものカルシウム分が含まれているのです。

硬水に慣れていない日本人がこのミネラルいっぱいの水をがぶ飲みすれば多少、オナカがゆるむのはあたりまえなのかもしれません・・・。

別に悪いモノを食べたわけでもないのですから、こんなときには少し身体と胃袋を休ませればスグに治るのです。 逆に、細菌によるものではないのだから抗生物質やセイロガンは腸の菌を殺すので飲まない方がヨイと思います。飲むならビオフェルミンなどの整腸剤で様子を見ましょう。
スペインではマドリッドとグラナダの水は美味しくて水道の水も飲めると言われています。 逆に絶対に飲まない方がヨイだろうと思うのはバロセロナの水です。 あまりに不味いのでバロセロナ市民でもそのままでは飲まないそうです。
一度、バロセロナのマクドナルドでアイス・ティーを飲んだとき、砂糖が入っているのはスペインだから驚かなかったのですが、ナント!ショッパイのです。(笑)

レストランで水を頼むときには当然有料ですが、炭酸ガス入り(アグア・コン・ガス)かガスなし(アグア・シン・ガス)か聞かれます。
普通はガスナシが多いのですが、スペイン料理には何故かコンガスの水が良く合います。