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第34回 エル・イエロ

はろはろ!こんにちは〜!“よっぴ”の「パラドール紀行」です。
今回は南国の楽園、あこがれのカナリア諸島の小島「エル・イエロ」のパラドールを紹介しましょう。

第34回エル・イエロ El Hierro
名称Parador de El Hierro

カナリア諸島はローマ時代には「博物誌の」プリニウスによって「幸福群島」と名付けられました。スペイン人による遠征隊が組織されたのが15世紀始めで15世紀末には征服されてスペイン領になりました。
このエル・イエロの島はカナリア諸島の主要7島の中では最も小さくて(278平方km)、最も人口が少なく9500人しか住んでいない小島です。
それでも伊豆大島の3倍ほどの広さがあります。

マドリッドから直行の便はなく、同じカナリア諸島の観光の中心地テネリフェ島やグランカナリア島からプロペラ機に乗り換え、空路で約40〜50分、船だと4時間かかります。
(たぶんまだ直行便はないと思うのですが…。)



さすがにこれだけ乗り継いで来ると地の果てに来たのかなあ?っと感じられます。
そう、このイエロ島はカナリア諸島の中でも一番西側にあり、つまりヨーロッパで一番西に位置するということで、一世紀前まではここが経度0度地点とされていました。
この島の中心地バルベルデの町は海岸沿いではなく空港からパラドールとは反対方向の標高600mの崖の上にあって約島民の半数が住んでいます。
空港からタクシーで15分程パラドール専用に作られた道を走り、900mもの長いトンネルを抜けると海沿いに建つパラドールが見えてきます。

断崖絶壁の岩山を背後にして、海岸線に沿って僅かの浜辺にへばりつくように建っている風光明媚が売り物の美しいリゾートホテルがイエロのパラドールです。
その海に間近というロケーションの為、近年の大波で水を被り、多額の費用をかけて、全面改装され2000年の12月に再オープンしました。

以前と大きく変わった点とすれば、この大波の被害を避けるために海に面して高い防波堤の石壁が城壁のように囲んでいることでしょう。 それでも大波の時には一階部分にあるプールのチェアが波に浚われてしまうそうです。

白壁に木製のバルコニーが海岸に向かって並び、広くて明るいコロニアル風内装の部屋や
熱帯植物に囲まれた庭園にプールとリラクゼーションには最適のパラドールでしょう。
この遠い島に来る人たちはドイツ人、英国人、その次にスペイン人、大抵1週間は滞在するので、フィットネスのジムやサウナ、ミストサウナ、卓球台まで用意されているのです。




  

訪れた三月にはマドリードでは寒さに震えていたのに、ここ常夏のカナリアでは半袖のTシャツに短パン姿でも寒くなく、パラドールのプールでは泳いでいる人も居ます。
この火山と楽園の島、自然の中に建つパラドールでは何もしなくてもよいのですが、自然のアクティビティーを楽しむのにも絶好です。
遊覧船にトレッキング、海水浴やダイビングは勿論、釣りやパラグライダー、マウンテンバイクまで楽しむことができます。
カナリア諸島はダイビングで有名なところですが、特にこのイエロ島はヨーロッパ中でも最高のダイビングスポットとされています。
港にはダイバー達のボートやショップも充実しており、毎年大勢のダイバーが訪れフォトコンテストも開かれます。



この美しい島巡りにはタクシーが一番です。 この島にはタクシーがとても多くて空港には沢山のタクシーが待っていますし、パラドールでもスグに呼んで貰えます。
島の随所にある展望台から眺める真っ青の海と切り立った絶壁。遠くに見えるテネリフェ島やパルマ島、誰でも自由に入って食べて良い村長のいちじく畑。4部屋しかない世界一小さいと言われる岬の先端に建つホテルなどもあり1日のんびりとドライブを楽しんで150EU位です。
  

そして心地よい疲れで戻ったパラドールにはくつろげる快適な部屋と海の幸がふんだんの美味しい食事が待っているのです。

カナリア諸島は火山活動が活発な地域でエル・イエロ島では2011年の夏から群発地震が起きて一時パラドールへのトンネルも閉鎖されたようですが、現在(2013年4月)は地震活動も沈静化されてパラドールも通常通りの営業されています。


☆カナリア諸島 島巡り

スペインに行っても、カナリア諸島まで足を延ばす旅行者はあまり居ないでしょうが、せっかく行くのなら島巡りをしては如何でしょうか?
このカナリア諸島の七つの島はどれも個性があって素晴らしい島巡りができます。
「フエルテベントゥラ島」は面積1688平方km(沖縄本島が1185平方km)。カナリア諸島で2番目に大きく土地は乾燥していてほとんど砂漠と言っていい島ですが、海岸は白い砂と岩の広大なビーチがが続き、ダイビングには最適な島です。
「グラン・カナリア島」は面積1532平方km、3番目に大きな島ですが、もっとも開けた町で人口も一番多い島です。北部は肥沃な土地でバナナを中心とした農業の盛んな島で、国外の漁業会社も多く漁業も盛んです。
「ランサロテ」は面積813平方km(佐渡島位)。とても特徴のある島で、溶岩台地に100にも及ぶ噴火口が散在しているのですが、海のリゾート地としても人気があり、ティマンファヤ国立公園に指定されています。
因みにスペインには9つの国立公園があり、そのうち実に4つまでがこのカナリア諸島にあるのです。(あとはゴメラ、テネリフェ、パルマでゴメラは世界遺産にも指定されています)
島内の観光はレンタカーかタクシーとなりますが、観光と言うよりもホテルやパラドールで俗世間のことは忘れてゆっくりとした時間の流れに身を置いて…といった旅が似合う場所です。
何と言っても「幸福群島」ですから…。

参考コース
第1日目
マドリッド→テネリフェ(フェリー)→ゴメラ(泊)
第2日目
ゴメラ→テネリフェ(2泊)
第4日目
テネリフェ→ランサロテ(2泊)
第6日目
ランサロテ(フェリー)→フエルテベントゥラ(2泊)
第8日目
フエルテベントゥラ→グラン・カナリア(2泊)
第10日目
グランカナリア→ラ・パルマ(2泊)
第12日目
ラ・パルマ→マドリッド
これに前後のマドリッドの宿泊を加えれば最低2週間。
マドリッドの周辺の観光や、ゆったりした旅を望むならあと1週間は欲しいコースですが…。

トッピングは特にありませんが、パラドールはやはりお勧めです。
特に「ゴメラ」は他のホテルでは絶対に味わえない貴族の館の雰囲気が味わえますし、テネリフェ島のティデのパラドールでは2千メートルを越す高地での星空が見事です。
それぞれの島にはハイキングコースもありますので、ダイビングなどの海のリゾートはもちろんですが、歩くのが好きな方は山のトレッキングも楽しめます。

by“よっぴ”