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第35回 ビエリャ

はろはろ!こんにちは?!"よっぴ"の「パラドール紀行」です。
今回から連続してピレネー山脈にある3つのパラドールを紹介しましょう。
スペイン北東部のこの地方はスレート葺きの屋根をもつ石造りの家の集落が多くあり、スキー場、温泉場、たくさんのハイキングコースと自然の美しさが溢れています。
トレッキングの途中で出会う羊飼いに追われる羊達の群、ロマネスクの教会のある小さな村、どれもスペインのもう一つの顔を見せてくれることでしょう。

第35回ビエリャVielha
名称「Parador"Valle de Aran"アラン渓谷のパラドール

ビエリャは名称にあるとおりアラン渓谷の中心の町です。
町中は夏の避暑客や冬のスキー客のためのレストランやショッピングの店が立ち並びなかなかの賑わいを見せています。

パラドールはその町からクルマで5分ほど登った山の中にあります。




このパラドールのバルコニーから町を見下ろすとピレネー山脈の白い雪と木々の緑それに建物の黒のスレート葺きの屋根の対比がとても美しく見えます。

このビエリャのパラドールはアルティエスのパラドールとたった7kmしか離れていません。
そう、この2つのパラドールはまるで兄妹のようなパラドールなのです。
ディレクターも両方のパラドールを掛け持ち、コックさんも両方のパラドールを行ったり来たりするそうです、ただ両方のパラドールのメニューは変えているそうですが…。
女性的な柔らかい温もりを感じさせるアルティエスのパラドールに対して、兄であるこのビエリャのパラドールは円錐型の屋根をもつ展望サロンを始め大きく堂々とした建物を誇っています。

  

このパラドールの最大の特徴である広い展望サロンは二層から成り上階はガラス張りの窓から明るいアラン渓谷とピレネーの山並みを眺める展望サロン、下は落ち着いたバルをもつサロンと2つの異なった雰囲気を楽しむことができます。
いずれのサロンとも中央に暖炉がおかれ、それを取り囲むようにソファが置かれています。

  

このパラドールではトレッキングを始め、マウンテンバイク、動物の写真撮影、カヌーやロマネスクの教会巡り、ハーブティ摘みなど様々なアクティビティのプログラムを用意しているのでそれに参加するのも良いでしょう。
勿論、アルティエスに宿泊してもこれらのアクティビティに参加できます。

ピレネー山脈の北斜面に位置するアラン渓谷Valle de Aranは交通が不便なゆえ発展が遅れ、近年リゾート開発が盛んになってきてはいますが、美しい風景と、39か村のどこでも大きなスレート屋根の家並がロンバルディア風ロマネスク様式の教会のまわりに集まり、緑の草原の中に青い斑点のような点在していて「スペインのスイス」と呼ばれています。

またマラデータ山地を挟んだ反対側のノゲラ・ダル・トール渓谷はピレネー山脈で最も美しいロマネスク様式の教会がいくつかあります。
その中でもタウルTaullは12世紀頃建立されたサンタ・マリア教会とすらりとした六層の鐘楼をもつサン・クリメント教会があります。 教会の重要性もさることながら内部に描かれたフレスコ画はスペイン・ロマネスク芸術の至宝と言われています。
そのためサンタ・マリア教会の聖母子像、サン・クリメント教会のキリスト像のオリジナルはバルセロナのカタールニャ美術館に収蔵・展示されており、現在、教会にあるのはレプリカですが雰囲気は残されています。

by“よっぴ”