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第48回 セゴビア

はろはろ!こんにちは〜!"よっぴ"の「パラドール紀行」です。スペインの首都マドリッドからの日帰りが出来るエクスカーションを挙げるとすればトレド、セゴビア、アビラが3大観光地と言えるでしょう。そしてこれらは何れも世界遺産に登録されています。

第48回セゴビアSegovia
「"Parador de Segovia"」セゴビアのパラドール

世界遺産、ローマ時代からの歴史の町セゴビアを一望する丘”ラ・ラストゥリアの展望台”Mirador de la Lastrilla”に建つ、町並みとは対照的な超近代的リゾートホテルがセゴビアのパラドールです。

このセゴビアのパラドールは全パラドール中でも最も設備の整った超モダンなリゾートホテルでしょう。
外壁は薄茶のレンガで大人しい素材を使っているのですが、玄関の屋根は逆傾斜のV字型をしていて、かなり思い切ったモダンなデザインの建物です。

そして、玄関を入るとそこにはとてつもなく広い、そして高い吹き抜け天井の空間が出現します。壁はレンガタイルで床もスレートタイル、天井の梁はコンクリート剥き出しのままです。天井からは白いアクリルで出来た三角形の明かり取りがぶら下がってアクセントをつけています。置かれたソファも空間の広さに合うゆったりとした大型のモダンなものが用意されています。

セゴビアは高地にあり冬場はかなり冷え込みますが、このパラドールではナント室内に温水プールまである贅沢さです。

バルコニー、レストラン、あるいはプールサイドからもセゴビアの町が歴史の大海原として一望されます。
中でも、ひときわ高く目立つのが、その美しさから大聖堂の貴婦人と呼ばれるスペイン最後のゴシック建築のカテドラルです、そして右手にはエレスマ川、クラモレス川に挟まれたアルカサルAlcazarがあります。 白雪姫のお城のモデルとなったといわれる美しい城ですが、1474年イサベル女王はこのアルカサルに拠ってカスティーリャ女王を宣言したという歴史的にも重要な城でもあります。
しかし、何と言っても圧巻は2000年前のローマの土木技術により建造された水道橋でしょう。18キロ離れたフェンフリア山の水源から水をセゴビアの町に運んでいたこの水道橋は、19世紀末まで実際に使われていました。今も水道橋には水を流すことができるそうです。

ガラス張りのレストランは宿泊客のみならず料理を楽しみ景色を楽しむ観光客でいつもいっぱいです。そしてお勧め料理はセゴビア名物コチニージョ cochinillo asado子豚の丸焼きでしょう。これは生まれて3週間、2kgくらいのものが最高だそうです。一匹で6人前、焦げた皮の色あいがペキンダッグのようで香ばしいさっぱりした味です。これは生まれて3週間、2kgくらいのものが最高だそうです。一匹で6人前、焦げた皮の色あいが北京ダックのようで香ばしいさっぱりした味です。


☆セゴビア

1985年、「セゴビア旧市街と水道橋」はユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録され、トレド同様、マドリッドからの日帰り観光地として絶大な人気があり多くの観光客は半日日帰り観光のバスでこの町を訪れることになる。
確かに観光バスならば半日でざっと効率よくセゴビアの町を見て回れるのだから時間のない旅行者には是非お勧めしたいツァーではあります。
しかし、これだけ見どころが満杯の美しい町を半日で通り過ぎてしまうのはあまりにも勿体ない。 帰りを一日延ばしてもゆったりとこの町を歩くことをお勧めする。
もちろん泊まるのはパラドールだ。

さて、セゴビア散策の出発点はローマ水道橋のあるアソゲホ広場Plaza del Azoguejoからです。ここから見上げる2000年前に造られた水道橋を見上げれば、ただ、ただ、その大きさに圧倒されてしまうでしょう。

2万個を越す花崗岩を積み重ねられただけで、122の柱と166のアーチで構成された水道橋は全長728mにもおよび、アソゲホ広場付近では高さが29mにもなります。
以前は観光バスも通り抜けていたそうですが今は交通の振動から水道橋を保護するために歩行者のみが通行できます。 そして橋の脇道をちょっと上に登ればカスティーリャの大地を背景にした素晴らしい水道橋が眺められます。

セゴビアの旧市街はよくアルカサル(城)を船首としてカテドラル(大聖堂)をマスト、水道橋を舵とした巨大な船に例えられます。
マヨール広場から見える大聖堂Catedral de Santa Maria de Segoviaは1525年、ルネッサンス様式の最盛期にゴシック様式が残った例として知られており、スペイン最後のゴシック建築といわれます。 その美しい姿から大聖堂の貴婦人と呼ばれています。
この附属美術館には宝物と共に幼児の墓碑がありますが、これは1336年に乳母の不注意によりアルカサルの尖塔から落下して死亡したエンリケ王の息子のものだ、この乳母もその直後に後を追ったという。

ディズニーの白雪城のモデルとして有名なアルカサルは12,13世紀に建築されたものですが、大部分は15,16世紀に増改築されたものです。
このアルカサルでは1474年イサベル女王がカスティーリャ女王を宣言しており、1570年、スペイン最盛期のフェリペ2世がアナ・デ・アウリアと結婚式を挙げた舞台でもあり、歴史的にも重要な城でもあるのです。
内部は思ったよりも狭く、居室にはタピストリー、武具、絵画、家具などが保存されています。
そして、最後に塔の上の展望台に登ればカスティーリャの大地が一望できるのです。

by“よっぴ”